不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報建築の知識アドバイス建主が知っておくべき建築法令に関する最近の動向(2024年3月号)

建築の知識アドバイス

専門家のアドバイス
佐川 旭

建築の知識アドバイス

建築の知識
アドバイス

一級建築士
株式会社 佐川旭建築研究所
佐川 旭

2024年3月号

家づくりの「心」を「かたち」に、具体例を交え心の家づくりを解説した一級建築士のアドバイスです。

建主が知っておくべき建築法令に関する最近の動向

2025年4月から改正

構造計算と省エネ計算が必要になる

建主が知っておくべきこと・注意すること

□構造の安全性を確認する計画については、必要事項を仕様表等に記載することで基礎伏図・各階床伏図・小屋伏図及び軸組図の添付が省略される予定です。

□設計業務の作業が増えることになるので、余裕のあるスケジュールと流れを確認してください。

□仮に構造計算によって壁量が不足していれば、壁を増やすなど間取りに多少の変更が生じることも考えられます。

□着工以降で軽微な変更でも、変更箇所によっては行政機関と相談する必要もあります。

□構造計算をすることで、より確かな耐震性の高い建物をつくることができ、安心安全につながります。

建主が知っておくべきこと・注意すること

□屋根・天井・壁・床・開口部などの断熱性能は、一定の性能以上とする必要があります。

□断熱性能の基準は各地域区分ごとに定められています。計画地がどの地域区分に該当するか確認する必要があります。

□地域区分に応じて暖房・冷房・換気・給湯・照明の設備機器に関する効率等の基準があります。各設備機器の性能値を確認することが求められます。

□外壁の材料や窓の大きさを決め、工事途中でその仕様を変更した際は熱抵抗値や熱貫流率の数値が基準よりも下回らないように考慮しなくてはなりません。

□断熱材や設備機器を選ぶ際、コストの上昇には十分注意が必要です。

□断熱性能の高い家は部屋同士の温度差を小さく出来るので、ヒートショックのリスク軽減だけでなく、エネルギーの使用量も削減できます。

適用開始時期について

その他、気になる改正

※本コンテンツの内容は、記事掲載時点の情報に基づき作成されております。

佐川 旭Akira Sagawa一級建築士

株式会社 佐川旭建築研究所 http://www.ie-o-tateru.com/

「時がつくるデザイン」を基本に据え、「つたえる」「つなぐ」をテーマに個人住宅や公共建築等の設計を手がける。また、講演や執筆などでも活躍中。著書に『間取りの教科書』(PHP研究所)他。