住まいづくりについて、これだけは、ぜひ、知っておいて欲しいという事項を解説しています。より分かりやすく活用しやすいように多くの写真とイラストを使いまとめてあります。
Q&A形式で解説しています。
こんなところで困りごとやトラブル発生
相見積りの内容はどこで判断するか
相見積りをしたのですが、正直、安いからという理由で業者を選んでよいのか迷っています…。
工事費の総額だけで判断しがちですが、大事なのはその見積り内容と工事体制です。
納得のいく説明と会社の信頼性を確かめる
相見積りのよさは妥当な工事費を把握することができることと、競争意識が働いて価格が下がる可能性があることです。建築家など第三者に依頼していれば、当然図面通りに見積りが行われているかどうかはチェックしてくれます。しかし住宅メーカーや工務店などに設計・施工を一括でお願いしている場合は、自分でその工事費を判断しなければなりません。素人で、しかも初めての住まいづくりで見積り内容をチェックすることは、かなりハードルが高いと思われます。ただ、チェックできる工事項目もあるので、それらは自分で確かめ、分からない工事項目は納得のいく説明を受けることです。その際、あわせて会社の信頼性やアフターメンテナンスの体制、自分と会社の相性なども考慮すると良いでしょう。
製品や設備機器そのものの価格は簡単に比較できますが、現場監督の能力の高さ、職人の技術力など比較することが難しいものもあります。これらを含めて確認し総合的に判断して、信頼できる業者に依頼するということです。
サービス工事と思っていたら追加工事
現場でお願いした工事がサービス工事かと思っていたら、後で追加工事として代金の請求がきました。仕方なく支払いましたがあまり納得はしていません。本来はどうするべきだったのでしょうか?
工事内容がよく分かりませんが、サービス工事なのかお金のかかる追加工事だったのか、その場で現場責任者と確認しておくべきでした。
お互いに打ち合せメモで確認することが重要
たとえば施主が直接職人に変更工事をお願いしたとします。その後、施工会社から何の連絡もなかったので、施主はてっきりサービス工事と思い込んでいたということがあります。
ここではお互いがうっかりミスをしているのです。
施主は直接職人ではなく現場監督に伝えるべきで、職人もすぐに現場監督、あるいは会社に報告するべきだったのです。
そして施工会社は、仮にお金のかかる追加工事であれば、見積り金額を伝え納得を得た上で工事に入ることです。もし現場の状況ですぐに工事をしないといけないケースであれば、少なくとも概算金額は伝え、メモを残して施主に伝えるべきだったのです。
契約内容(契約書添付見積り書、図面、仕様書)と異なる施工がなされた場合は、それがグレードアップである場合は追加工事とみなされることが多いです。
いずれにしてもその旨をしっかりと確認し、できれば書面で残しておくということです。
外まわりの工事範囲はどこまで?
見積り書に「外構工事は別途」となっていて、駐車場や門、植栽は理解していましたが、工事途中で「テラスも外構ですよ」と言われびっくりしました。
当然見積書の中に入っていると思いました。
外構の工事範囲はどこまで入るのですか?
外構工事は、植樹造園、舗装(アプローチなど)、駐車場、門塀、テラス、デッキ、パーゴラ、外灯、外部コンセントなどの種別があり、これらが工事内容に入っているかいないかを確認すべきです。
工事に含まれているかどうか
設計図書には工事の範囲が書かれている図面があります。見積りの際に確認し、さらに図面などでもチェックしておくことです。ちなみに、その他の工事範囲は次の表を参考にして、工事に含まれているか、別途なのかをチェックして下さい。
はじめに見積りに入っている工事、入っていない工事を明確にし、入っていない工事種別で必要と思われる工事はあらかじめ予算を立てておくということです。
見積り書に数量が入っていない
見積り書を見たら、他の工事項目は数量などがきちんと記入されていたのですが、木工事の項目だけが「一式」でした。工務店に質問したところ、「多少変更があっても、その金額でやりますから安心して下さい」と言われました。
一般的に木工事は数量がないのですか?
多分ここの社長は大工さんから工務店を立ち上げた方で、木工事については経験上自信があるのでしょう。一般的には木工事もきちんと数量を拾って見積りに反映されます。
見積り書には工事内訳書と内訳明細書があります
見積り書は、工事の項目別に金額を表示する「工事内訳書」と、さらに具体的な部材や設備の単価や数量が書き込まれた「内訳明細書」からできています。
自分の希望した材料や品番は内訳明細書の中に記載されています。
万一間違っていれば必ず日付を入れて書面に残しておくということです。
建築条件付の土地に家を建てる
建築条件付土地を購入する際、建物が自由設計可能と書かれていたので安心して購入しました。ところが実際に設計プランを進めていくと、制約ばかりで納得できませんでした。
しっかり確認しなかった私達が知識不足だったのでしょうか?
建築条件付土地の場合は、建物が自由設計可能と記載されていても、すべて自由に建築できるかと言えば、答えはNOです。
設計の自由度と売買契約の停止条件建
●設計の自由度を確認
建築条件付土地に建物を建てる場合は施工会社が指定される為、その会社ができない、あるいは今まで建てたことがない建物(工法)は基本的に建てないものです。たとえば在来工法で建てたいと希望しても、2×4工法でしか建てないといったようなケースです。また、フリープランをうたいながら、実際にはプランの決まっている建売住宅と同じような感覚で進める建築会社もあります。自分達の希望している建物と建築会社の考えているフリープラン・注文建築のズレを契約前に確認してから、購入することです。
●売買契約に停止条件を付ける
土地の売買契約を結ぶ際には、その契約書に停止条件を付けることができます。その停止条件の内容とは「ある一定の期間内に検討をしている建物が建たないことが分かった場合は白紙解約ができる」といった文言です。
ある一定の期間の目安はおおよそ3ヵ月です。そして解約となった場合は、売主が買主に違約金や損害賠償金を求めることができないことも重要なポイントです。
このように建築条件付土地は様々な問題があるため、十分に注意する必要があります。
建築条件付土地を購入する際は、契約前に自分達の希望している建物ができるのかできないのかをよく見極めて、進めていかなければならないということです。
解体工事で思わぬトラブル
古家付きの土地を購入し古家を解体したら、古井戸があったため基礎工事に思わぬ費用と時間がかかりました。
この費用は売主に請求することはできますか?
工期の遅れと費用の額にもよりますので、まずは土地の売買仲介を不動産会社に相談してみることです。
できるだけ事前に調べ、万一を考え条件を加える
古家付きの土地を購入する時は、買主負担で家屋の解体をするのか、それとも売主が解体して更地で引き渡してくれるのかによっても契約の条件は変わってきます。古くからの家では時には地下壕や廃材などが庭の隅や床下の土の中から出てくることもあります。
持ち主が何回か変わった物件だと、持ち主自身も知らなくてトラブルになるケースがあります。仮に購入した土地の中から障害物が見つかった時には、「契約不適合責任」を売主は負う可能性があります。
なお、契約不適合責任は任意規定であるため、当事者間の合意によって、期間や責任範囲を修正・免責する特約をすることができます。一般的な個人間の売買では、契約不適合責任の期間を3ヵ月以内とする特約を設けることが通例です。その期間内にその旨を売主に通知する必要があるので、注意しましょう。
万一を考えて地中障害に関してはきちんとした取り決めをしておくということです。
工事請負契約書と約款のチェックポイント
工事請負契約書を交わすにあたり契約約款に目を通しているのですが、専門的な用語が多くあいまいに読み飛ばしてしまいます。押さえておくべきチェックポイントを教えて下さい。
最もトラブルが多いのが完成後の家に瑕疵(欠陥)が見つかった場合なので、その解決法などは押さえておくべきチェックポイントです。
工事請負契約と工事請負契約約款のチェックポイント
工事請負契約とは建物の完成を保証し、それに対し報酬を支払う約束を交わすこと、工事請負契約約款は工事中、または完成した建物の引渡し後にトラブルが生じた時の解決法を取り決めたものです。
契約書や契約約款には法律的な表現や専門的用語が多く使われているのでつい読み飛ばしたり、内容をしっかり把握しないまま契約をしてしまいがちです。
押さえておくべきチェックポイントだけは必ず確認しておくということです。
隣家の窓と同じ位置に
分譲された宅地で隣家とほぼ同時期に建物を着工しました。
工事が進むと窓の開口部が隣家と同じ場所にあることが分かり、慌てて位置の変更を検討しました。しかし1ヶ所は移動することはできたのですが、もう1ヶ所は耐力壁と間取りの関係で変えることができませんでした。
もっと早く気付けば良かった?
建替えであれば、あらかじめ隣家の窓の位置を調べて立面図に反映することができます。今回は同時期の着工ということもあって調べることができませんでしたが、隣地との境界フェンスの位置など打ち合せができることもあったと思います。お互い間取りができた段階で確認できると良かったのです。
窓の位置、あわせてバルコニー、換気扇の位置にも注意
大きな窓を設けて生活をしていたら、後から建てられた家が同じ位置に窓をつくった。あるいは2階の寝室の窓で隣家の人と目が合って気まずい思いをした。
このような体験をしている人は多いのではないでしょうか。新築時に同じ位置にくるようであれば、もちろん位置を再検討したり、開閉方法を変えたり、ガラスの種類を変えるなどして、できる限り隣家に配慮することです。あわせてバルコニーやキッチンの換気扇の位置も調べて立面図に書き込んでおくと良いでしょう。
窓には光や風の他に視線を通すという役割もあります。
住戸の密集した地域では、お互い良好な関係を保つ意味でも十分に配慮しなければならないということです。
不確定要素が多い別途工事
建替えにあたり地盤を調査したところ数値が悪く、地盤改良工事をしなくてはならず約100万円の見積りが出されびっくりしました。思いがけない出費だったので、これから先もこんなことがあるのか心配です。
いわゆる別途工事というものです。特に地盤調査は既存建物を壊した後に調査をするので、確定した金額を提示しにくいところがあります。しかし別途としては大きな金額になるので、担当者にあらかじめ地盤に関する工事を含めて別途工事全体の内容を丁寧に説明してもらいましょう。
分かりにくい別途工事
建築には本体工事費だけでなく別途工事費、諸経費という費用も存在します。特に別途工事は本体工事費に含まれないため施主にとっては分かりにくい部分で、なぜ別途工事が必要なのだろうと疑問を持つところです。したがって、施工会社はあらかじめ説明をしておくことが必要で、また、施主も別途工事がなければ建物はできないことも理解しておくことです。
別途工事はトラブルになりやすいので、工事内容や大まかな費用くらいは把握しておく必要があるということです。
引き継ぎ不足によるトラブル
内装を決める段階で、設計の方が体調を崩しずっと休んでいたので、その間は営業の方と打ち合せをしました。その後、工事も順調に進み完成間近となり床の養生シートをはがしたところ、床の色が選んだものと違うことに気がつきました。
会社内の引き継ぎが上手くいっていなかったようで、会社からはやり直す案と減額案のどちらか選択して下さいと言われました。
やり直すとなると引っ越しのスケジュールも遅らせないといけないので正直迷っています。
建築は業種が多いので引き継ぎの伝達作業で成り立っていると言ってもいいくらいなのです。したがって、引き継ぎが上手くいかないとトラブルになりやすい仕事でもあります。
できれば発注前に再度色や柄、材質などの確認を行うことをおすすめ致します。住んでからのメンテナンスもあるので良く話し合って決めて下さい。
打ち合せの中心が図面や仕様書なのであまりメモは取らない?
会社によっては営業マンと設計士が別々にいて、詳細な仕様についてはあらためて設計士が施主と打ち合せを行うことがあります。あるいは、それは面倒だからと営業と設計士を同席させる会社もあります。なかには営業マンと設計士の相性が良くなかったり、設計士が緻密でなく書き忘れたりすることもあるのです。
また打ち合せが図面や仕様書中心となるため、打ち合せメモを残さず、引き継ぎ項目があまり記入されていないこともあるのです。したがって打ち合せ終了後には必ず参加者で確認し、次回施主参加の際には前回の打ち合せの議事録を読み合わせしてスタートすると良いでしょう。
引き継ぎ不足で家づくりに失敗しないためにも、施主、設計事務所、施工会社が同じ情報を共有し確認しながら工事を進めていくということです。
資金繰りがきびしい
借地の関係で銀行から支払われる時期が竣工後になってしまいます。自己資金でなんとか繋げていきたいのですが施工会社は相談にのってくれるでしょうか?
また、諸経費はどのくらい見ておけば良いのですか?
一般的な支払いは着工時1/3、上棟時または工事中間時1/3、引渡し時1/3です。
施工会社はキャッシュフローのやりくりもあるでしょう。早めに相談にのってもらうことです。諸経費も意外にかかるので、きちんとチェックしておくことをおすすめします。
いつ、どんなお金が必要になるか知っておく
工事が始まれば、施工会社は資材の発注・調達、そして協力会社への支払いが発生します。会社の財務内容はもちろん、決まり事のルールもありますので、工事代金を含めていつ、どんなお金が必要なのかスケジュールも含めてアドバイスをもらうことです。
工事代金の支払いはもちろん、土地の準備から家が建つまでの間、そのときどきで必要になる費用もあわせて確認しておくということです。
施主支給で反省!
壁付けのエアコンをインターネットで購入して支給したいと現場に申し入れ、了解をいただきました。いざ工事の段階で納まりも悪く配管が露出することも分かりました。壁をふかすことで隠ぺい配管できたのですが、多少工事費用が発生しました。
もっと早く機種を選んで伝えておけば良かったと反省しています。
安くなるのを待っていたのが失敗でした。
施主支給の建材や設備機器は、何か不具合が発生した場合、責任の所在を明らかにしておく必要があるので、その点を理解した上で利用することです。
施主支給は施主自身も協力していこう
近年、インターネットで建材や設備機器を安く購入して施工会社にお願いするケースが、リフォーム工事で多く見られます。ここで最も注意しなければならないのが、何か不具合が起きた場合です。たとえば無垢材のフローリングに反りがあって、それに気づかず施工不良を起こしてしまったというような問題や、施工は良かったのですが製品に不具合が起きるケースも考えられます。
当然、責任の所在が複雑にからみ合うために、施工会社は慎重な対応をしているところが多いと思います。
施主支給をするのであれば、搬入のタイミング、梱包資材の処理、数量のチェック、メンテナンスを含めて、現場監督と丁寧な打ち合せをしておくことです。そして自分自身もできる限り動いて協力していきましょう。
施主支給はどんな問題やトラブルが発生しやすいのかを良く理解して、トータルコストの視点を持ちながら、現場と早め早めの打ち合せをしていくということです。
バルコニーの雨漏りが心配
軒の出がないのでバルコニーに直接雨水が入ってきます。排水口への流れも悪く、大雨の時はプール状態にならないか心配です。
劣化が早まり雨漏りの原因にはならないですか?
心配であればバルコニーの水勾配や防水層の立ち上がりの高さ、そして排水口まわりを確認した上で、対策を講じることです。
バルコニーはしっかりした施工が求められる所
バルコニーは雨水が集中する所です。水勾配が悪かったり、防水層の立ち上がりの高さが確保されていないと、雨漏りの原因になります。特に排水口のゴミや異物のつまりは常にチェックしておくことです。
排水口への流れが悪く心配であればひさしをかけることも可能です。デザインが気になる場合は、アルミ板や光を透かすポリカーボネート板ですっきり仕上げることもできます。また、大雨の際プール状態にならないためには、オーバーフロー管をサッシ下枠より低い位置に取り付ければ、防ぐことができます。
バルコニーは雨漏りしやすい所です。気になるようであれば専門業者に相談し、改修工事のタイミングを見誤らないようにするということです。
水の出が悪い
息子の結婚を機に二世帯同居となり、リフォームをしました。
同時に使うせいか水の出が悪くなりました。また2階にシャワー室を設けたのですが、お湯になるまで時間がかかります。
原因はなんでしょうか?
給水引込み口径を調べ、13mmであれば20mmに変えて下さい。
シャワー室のお湯は給湯能力が低いか給湯器までの距離が長いのが原因と考えられます。
水の出とシャワーのお湯
●水の出が悪い
はじめに、水道局の本管の圧力がどのくらいかを聞いてみて下さい。もし水圧が弱い地域なら増圧ポンプをつけるか、引込み口径を大きくすることで(20mmまたは25mm)問題は解決できると思います。仮に引込み口径が13mmであれば同時に使用するのは2ヶ所くらいを目安として、それ以上使う場合は時間をずらすことです。
●シャワーの水がお湯になるまで時間がかかる
家の間取りや敷地の条件などもありますが、一般的にキッチンの給湯を優先して給湯器の設置場所を決める場合があります。さらに給湯器はメンテナンスを考え1階に設置されますので、2階までは距離が長くなります。
もし給湯能力が16 号であれば、24 号に変えることで能力はアップします。24 号給湯器とは、水温25℃のお湯を1分間に24ℓ出すことができる能力のことです。
住まいの快適さは水まわりというよりお湯まわりです。生活スタイルを考慮しながら適切に計画することで、常時快適さが得られるということです。
思いがけないメーターの位置で残念
水道のメーターボックスが玄関アプローチの入口部分にあり気になります。
担当者に聞くと、本管から引込みにあたりその場所が一番良いのですと言われ、仕方なく受け入れました。
何とかならなかったのか残念でなりません。
もう少し別な場所に移動することはできると思います。
費用も含めて一度施工会社と相談してみて下さい。
思いがけないミスが出やすい
設備図面は意匠に関係なく書かれるので、このようなことが起きるのです。このようにならないためには、外まわりに設けられる升やメーターなどをまとめた外構図を書くと良いのです。どんなものがあるか整理してみましょう。
図面でのチェックも大切ですが、後々の点検・メンテナンスも考慮しながら現場の状況を見て確認していくことが最もミスを防げるということです。
コンセントの数が足りなくてイライラ
キッチンはかなりコンセントの数は多めにしたのですが、リビングでは不足してタコ足状態です。
コンセントは多めにつけた方が良いとは聞いていたのですが、目安ってあるのでしょうか?
床面積40坪で40個くらいを目安にしてください。
失敗ランキングで常に上位
住宅雑誌のアンケートによる住まいづくり失敗ランキングで、常に上位にあがるのがコンセントの数と位置です。コンセントは必要な場所に必要な数がないと急に使い勝手が悪くなり、ストレスを感じるものです。
設計担当者は一般的なコンセントの数は予想できますが、ひとりひとりが使いたい所までは分かりません。たとえば玄関近くに水槽のケースを置きたい、出窓に電飾ツリーを飾りたいといったことなどです。家族全員で生活の流れをイメージし、さらには将来的なことまで含めて話すことで、忘れていたコンセントに気がつくこともあるかもしれません。
また近年はコードレス掃除機なども普及してきましたので、考慮しておくとよいでしょう。
コンセントは建てる床面積の坪数と同じ数を基本に、数だけでなく取り付ける位置と高さも考慮することで使い勝手も良くなるということです。
図面の内容を知りたい
キッチンのカウンターの高さと階段の手すりがイメージしていたよりも高く、現場で図面を確認したところ、展開図に2つの寸法が表示されていたのが、ミスの原因でした。
その後高さに関してチェックすると表示があいまいで、図面の枚数も少ない感じがしました。
一般的に設計図面の種類と内容はどのようになっているのですか?
倒産の不安
アフターメンテナンスを考え、近くの工務店に新築を依頼しました。しかし小さな工務店なので、もし倒産してしまって、その後に瑕疵が見つかったら…という不安があります。
解決策はありますか?
工務店が引き渡した後、何年か経ち倒産した後に瑕疵が見つかった場合、建て主に少ない負担で瑕疵の補修が行えるよう、工務店に対して「保険の加入」が法律で義務づけられています。
10 年間の瑕疵担保責任
工務店は、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の施行により、瑕疵に対する10 年間の住宅瑕疵担保責任を負っています。
●住宅瑕疵担保責任の範囲
また、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律では、構造耐力上主要な部分、および雨水の浸入を防止する部分に関するところを対象としています。
万一売主が倒産しても、住宅購入者は保険や保証金の供託から還付を受けることで修補等ができ、費用負担の軽減が図られます。
家相が気になる
新築するにあたり、田舎の両親から家相のことを強く言われています。援助をしてもらう手前、あまり無視はできないので困っています。
一般によく言われるのが、北東にあたる表鬼門にトイレや浴室などの水まわりを配置してはいけないということです。
無視ではなく活かしていく
敷地の北東はあまり日の当たらないジメジメした場所で、冬には特に寒くなります。お年寄りにとってはリスクが大きくなるかもしれません。暖かい所から急に寒い場所に移ると心臓に負担がかかり、突然倒れてしまうケースも多くあります。その意味で家相はけっして単なる迷信とは言えず、科学的な根拠もあるのです。
ただ現代の住まいづくりであれば、北東にトイレを設けても臭いをこもらせず暖かく快適な場所にすることも可能です。
家相は、長い歴史の中で築きあげてきた先人たちの知恵が盛り込まれている「住まい学」ととらえることもできます。これを現代的な視点から見直すとすれば、日本という気候風土の中で、いかに上手く自然と折り合いをつけた住まいをつくるかということです。
無視をするのではなく、今の時代にアレンジして活用していくことで十分に解決できるのです。
家相は硬直的なものとしてとらえるのではなく、自然と折り合いをつけながら快適な住まいをつくる住まい学ということです。
中古住宅を購入 -これだけはチェック-
中古住宅を購入したいと考えています。
これだけはチェックしておくべきということを教えて下さい。
耐震性と水まわりの設備と雨漏りのチェック、さらに建築確認通知書と検査済証の書類、この5点です。
専門家のチェックを受ける
耐震性や水まわりの設備、雨漏りのチェックは専門性が高く、素人には無理だろうと考えられます。コンプライアンスのしっかりした販売会社であれば様々なネットワークを持っていますので、そのネットワークを利用させていただき専門家を紹介してもらいましょう。販売後のトラブルを避けるためにも、しっかり対応してくれるはずです。
もうひとつは一級建築士や第三者にお願いする方法です。有料になりますが、人生最大の買い物と考えれば高くはないと思います。
●建築確認済証と検査済証
一般に中古住宅は、建築確認通知書は揃っていますが検査済証のない建物が多いのです。近年は着工される住宅の9割以上が検査を受けていますが、2~3割の築15~20年の中古住宅は検査済証の発行を受けていないのです。
仮に中古住宅を購入してリフォームしようとするなら、検査済証があるとスムーズです。ない場合でも、現地を調査して現行規定に沿うように改修することができれば、工事着手の許可が下ります。いずれにしても、この2つの書類はとても重要なのです。
住んでから不具合やトラブルが起きないように、信頼のおける会社、あるいは専門家に相談し、確認した上で契約するということです。