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2015年9月号

不動産市況や業界動向などの旬な情報を記載したコラムです。

中古一戸建て住宅・近畿圏&中部圏府県別の流通ランキング(流通戸数・平均価格・平均土地面積)2015年9月

~中古一戸建て住宅はどこに、どの程度の価格で、どれくらいの広さの物件が流通しているのでしょうか?(近畿圏・中部圏版)~

1.中古流通戸数ランキング(売事例)

 大阪府の中古一戸建て住宅は、1位:枚方市、2位:河内長野市、3位:富田林市という北摂や大阪市近郊の行政区が並んでいます。近年マンション供給が盛んで中古流通件数も増加傾向にある大阪市の行政区は、一つもランクインせず最高位は19位の生野区という状態です。4位以下も4位:豊中市、5位:堺市中区、6位:泉佐野市、7位:柏原市とほぼ同様の傾向として大阪市の周辺都市が上位を占め、大阪市内へ通勤する人のためのベッドタウンが形成されていて、そこから中古一戸建て住宅が流通している様子がわかります。これらベスト10位の行政区ではどちらかというとマンションの流通はあまり多くない行政区も多く、マンションエリアと一戸建てエリアが分離している大阪府の住宅環境も浮き彫りになってきます。圏外でも11位に和泉市(123事例)や13位に岸和田市(101事例)大阪府南部の行政区が上位を占めていることもはっきりとわかります。
 兵庫県は1位:姫路市、2位:加古川市、3位:明石市と上位は神戸市の西に広がる住宅地から一戸建て住宅の中古事例が多く発生していることがわかります。全くない訳ではありませんが、これらの3都市ではマンションの中古流通は神戸市や阪神間の西宮市や芦屋市、尼崎市と比べると少なくなっています。一戸建てが新規供給と中古流通の大半を占める都市であると言えましょう。4位以下では、4位:神戸市北区、8位:神戸市西区とともに神戸市の北部山側に広がる2区が上位に入っています。ただ、マンションの中古流通が盛んな神戸市東灘区が14位(63事例)に入るなど大阪府のようにマンションと一戸建て住宅の立地が分離している傾向があまり強くなく、西宮市が5位に、宝塚市が6位、圏外ですが尼崎市が11位(92事例)、神戸市垂水区が12位(87事例)、神戸市須磨区が13位(79事例)と兵庫県上位は一戸建てもマンションも数多く流通する都市が上位を占めているのが特徴です。
 京都府は1位に宇治市、2位に京都市伏見区、5位:京田辺市など京都駅の南側に位置する都市が上位を占めています。これらの都市にはマンションの中古流通もありますが、あまり数は多くありません。ただ、年間100事例以上流通している都市が5位までと、一戸建ての中古流通量も多いとは言えないことがわかります。京都市の左京区や右京区などマンション立地としても人気がある都市には、一定の一戸建ての流通ニーズがあることが推察されます。
 中部圏の愛知県では1位:一宮市、2位:岡崎市、3位:豊橋市という愛知県内の大きな都市が名を連ねています。トヨタ自動車のお膝元である豊田市は5位に入っています。一方で名古屋市の区で10位以内に入ったのは、4位の緑区と6位の守山区のみで、中古一戸建て住宅は名古屋市以外の都市が多いことがわかります。中部圏は圧倒的に一戸建てのニーズが高いといわれていますが、マンションと一戸建ての流通エリアが大阪府のように分離しているよりも、中古一戸建て住宅が愛知県全体で流通するのに対して、マンションの流通エリアは名古屋市の中心部に集中する構造となっているというべきでしょう。

2.平均流通価格ランキング

 大阪府はマンションも高額で流通する都市で、一戸建て住宅も高値で中古流通していることがわかります。1位から3位は大阪市の中で有数の高額エリアで、当然一戸建ての流通価格も高額になります。大阪市以外でも北摂エリアの高額都市が4位:豊中市、5位:吹田市、8位:箕面市と上位に入っており、これらの顔ぶれはマンションと大きな変化がないようです。兵庫県は1位の芦屋市の高額さが際立っています。これらは建売住宅ではなく注文住宅として建築されたものが中古市場に出たことによって形成される価格と見てよいでしょう。2位以下も2位:神戸市東灘区、3位:灘区、4位:西宮市と続き、マンションの中古価格ランキングとほぼ同一の順位となります。京都府では、上位は京都市の中で京都駅の北側、すなわち京都御所側に位置する高額エリアに集中しています。1位:北区、2位:上京区、3位:左京区、4位:東山区、5位:中京区と、京都市中心部が上位をほぼ独占しています。なお、京都市下京区にはほとんど一戸建ての中古事例がありません。マンションでは高額ランキング上位に入る区なので、下京区の一戸建ては希少性が極めて高く特殊な存在なのかもしれません。愛知県では、昭和区が唯一の5,000万円台で、2位以下は、2位:千種区、3位:名東区、4位:瑞穂区とマンションの高額区というよりも一戸建て住宅の高額区として名の知れた都市が上位を占めています。名古屋市の行政の中心地である東区は事例が極端に少なくなっています。東区は高額な物件が出る区で、歴史があり「町並み保存地区」に指定された旧武家屋敷街「白壁・主税・橦木地区」が有名です。しかしこれらのエリアからはほとんど一戸建ての売りが出ていないことがわかります。

3.平均土地面積ランキング

 中古一戸建て住宅の土地面積を府県別の行政区で平均値を算出してランキングにまとめたのが下記表になります。大阪府は豊能郡豊野町が213.3平米で1位に、2位は189.9平米で四條畷市、3位は182.6平米で泉南郡岬町となっています。どちらかといえば郊外に属するエリアで土地の面積が大きくなるのはどの都府県でも同様です。ただ、8位の吹田市、9位の箕面市は北摂エリアにあって広い土地面積の区画に建っている一戸建てが流通しているために上位に入っているとみられます。兵庫県も同様に郊外都市が上位を独占し、広い一戸建てが流通しているエリアは9位の芦屋市のみと言える状況です。京都府は郊外の都市がかなり上位に食い込んでいますが、京都市北区(3位)、伏見区(4位)、西京区(5位)、山科区(8位)、上京区(10位)と京都市の中心区も上位に名を連ねています。愛知県では知多郡美浜町の土地面積が211.9平米と200平米を超えています。愛知県では中古一戸建てが多く流通する都市でも土地面積が広くなる特徴があります。これは中部圏が戸建てを終の棲家とするエリアであることと大きく関係していると思われます。一戸建て住宅の土地面積も充分広く確保し快適な住環境を作る意識が他の都府県と比べ強くなっています。郊外の都市も上位に入っていますが、名古屋市の区も3位の天白区(187.2平米)、5位の名東区(185.6平米)、圏外ですが11位には昭和区(179.6平米)、12位は瑞穂区(178.6平米)、そして15位には千種区(177.0平米)が入っています。名古屋市の商業の中心地である千種区でも一戸建て平均土地面積が177.0平米とかなり広くなっています。

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