全国47都道府県の中古マンション 価格推移は二極化?
東京カンテイから「全国・中古マンション価格天気図」が毎月発表されています。都道府県単位の調査で、中古マンション価格が上昇傾向にある時は「晴れ」もしくは「薄日」、足踏みしていたら「曇」、下落傾向だと「雨」もしくは「小雨」、と天気マークにして価格推移を表しています。今回はこの天気図の動向と実際のマンション価格から、全国の中古マンション市況についてご紹介します。
※「全国・中古マンション価格天気図」は東京カンテイのウェブサイトで毎月末に更新されています。
2010年5月度「中古マンション価格天気図」
首都圏は2009年半ばから価格上昇
首都圏は1都3県全てで2009年半ばから価格が上昇に転じました。2010年5月の中古マンション価格は前年同月比で約4~9%の大幅な価格上昇となっており、埼玉県と神奈川県は4ヵ月連続、千葉県と東京都は5ヵ月連続で前年同月比プラスが続いています。前月比での上昇率は小幅ですが着実な価格推移です。首都圏の中古マンション価格は既に安定推移していると見て良いでしょう。
近畿圏はエリアごとの推移の違いが明確に
京都府、大阪府は2009年後半にかけての底値圏からは脱していますが、直近でも京都府は2,000万円前後、大阪府は1,900万円前後での価格推移で、足踏み傾向が続いています。一方、兵庫県は2010年に入ってから1,800万円超まで価格が上昇しました。滋賀県は実需中心のマーケットとして2009年においても概ね1,500万円台を保っており、3月からは下落していますが比較的堅調に推移しています。
中部圏は岐阜県、愛知県で価格上昇傾向
岐阜県、愛知県は直近1年間で見ると概ね上昇傾向が続いています。静岡県は静岡市・浜松市では緩やかな価格上昇傾向が見られますが、熱海市や伊東市などでは築古物件の流通事例が多く発生し、県全体の平均価格を下げています。三重県は2009年6月から12ヵ月連続で1,300万円台を維持しており、堅調に推移しています。
地方圏は、広島県、福岡県では2009年から堅調な価格推移
地方圏でも、政令指定都市を擁し、比較的大きなマンション市場がある広島県、福岡県では中古マンション価格推移も堅調な動きとなっています。また、この2県では急激な価格下落は発生しておらず、「中古マンション価格天気図」でも「晴れ」「薄日」マークが付くことがありました。広島市や福岡市を中心に一定量の流通事例が発生しており、これらの地域が中古マンション市場を底支えしてきたようです。
「中古マンション価格天気図」を見てもわかる通り、東北地方や四国地方など「雨」や「小雨」が全域を覆っているエリアもありますが、三大都市圏では2009年までの下落基調から脱している地域が増えてきました。地方圏でも政令指定都市を中心に堅調に価格推移するエリアが出てきており、リーマン・ショックによってミニバブルが崩壊して以降、価格下落が著しかった全国の中古マンション市況にもようやく「晴れ間が見えてきた」と言えそうです。
※データ提供:東京カンテイ