10年間マンション投資を行なったとしたら、どのエリアがお得?
一口に不動産に投資するといってもいろいろな手段があります。ワンルームマンションを購入して運用する方法やJ-REITのように不動産が証券化された商品に投資する方法など投資先も様々です。個々の投資商品には固有の特性があり、当然得られる運用益にも差が生じます。マンション立地によっては空室リスクや賃料の値下がりリスクにも違いがあります。これらを頭に入れた上で物件選別を行うにはプロの知識や助言が欲しいところです。
となると、経験者でなければマンション投資は難しそう・・・と考える方もいらっしゃるかもしれません。でも、そうではありません。きちんとした情報をつかんでおけばある程度のリスクも、期待利回りも計算することができるのです。 ここに記載したデータは、不動産データベースの東京カンテイに登録されているデータを抽出したものです。投資期間を10年間と区切って投資した場合、すなわち、1999年に竣工した新築物件を購入して10年後の2009年に売却した場合の、インカムゲイン(総家賃収入)、キャピタルゲイン・ロス(売却差益・差損)、10年間の投資利回り(インカムゲインとキャピタルゲインから算出した最終的な利回り)の上位ベスト10を駅別にまとめました。どこで投資するのが得なのか、一定の傾向を読み解くことが可能です。
首都圏では「渋谷」や「恵比寿」よりJR総武線の「小岩」の投資利回りが高くなっています。単に家賃水準や売却益が高い駅よりも、新築時の価格が安い割に家賃が高く、10年間で価格がほとんど値下がりしなかった「小岩」の投資効率の良さが目立っています。 近畿圏でも同様に「烏丸御池」よりJR嵯峨野線の「二条」の方が10年間の投資利回りが良くなっています。価格、賃料、リセールバリューのバランスを見れば投資に向いたお得な地域がわかり、より効率の良いマンション投資が可能になります。
10年間で平均賃料が上がっている駅もある
次に1999年に竣工したマンションの新築時の賃料と、10年後の2009年の中古賃料の差に着目してみましょう。賃料は一般に建物の築年経過によって下落するケースが多いのですが、駅周辺の開発が進むなどの理由で賃料が上昇することもあります。
首都圏では京成本線の「青砥」が東京スカイツリー建設を契機とした沿線開発の影響もあり月額3,413円上昇しました。「大井町」や「北千住」でもマンション開発が進んだ影響で同様の傾向が見られます。また、駅勢圏が広く賃貸ニーズが高いJR中央線の「荻窪」の賃料上昇が目立っています。
近畿圏では神戸市の「花隈」「県庁前」、京都市の「烏丸」「京都市役所前」といった大都市中心エリアの賃料が10年前より高くなる傾向となっています。
不動産に投資する手段や方法は様々ありますが、このようなデータから投資対象エリアの特性を把握して戦略的な投資を行いたいものです。
※データ提供:東京カンテイ