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2013年4月号

不動産市況や業界動向などの旬な情報を記載したコラムです。

近畿圏・中部圏・福岡県 地域別の中古マンション流通物件数シェアランキング発表

~府県単位で流通件数の多い地域の変遷を見ると・・・

大阪府:北摂エリア中心から大阪市中心へと変化

 2001年には大阪市の北側、大阪府の北西部に位置する「北摂」の行政区がベスト10の多くを占めており、大阪市内は3区に留まっています。しかし、2006年には北摂地域が5市、大阪市が4区に、2011年には北摂3市、大阪市6区、2012年には北摂2市、大阪市7区となって、大阪市への集中度が年々高まっているのがわかります。ただし、上位に目を向けると1位と2位は北摂の豊中市か吹田市で占められており、シェアの低下は見られるものの、中古マンションが数多く流通している状況に変わりがありません。2012年には大阪市の中でも、3位中央区(5.28%)、6位西区(3.58%)、7位北区(3.58%)、10位天王寺区(2.59%)と大阪中心部の行政区が上位に進出しています。

大阪府 中古マンション流通事例数シェアランキング (単位:%)

2001年 2006年 2011年 2012年
1 吹田市 9.96 1 豊中市 8.37 1 豊中市 7.12 1 豊中市 7.34
2 豊中市 9.33 2 吹田市 8.11 2 吹田市 6.91 2 吹田市 6.73
3 大阪市淀川区 5.01 3 大阪市 淀川区 5.62 3 大阪市中央区 5.89 3 大阪市中央区 5.28
4 枚方市 4.93 4 茨木市 3.99 4 大阪市淀川区 4.60 4 大阪市淀川区 4.98
5 大阪市西区 3.89 5 枚方市 3.90 5 東大阪市 4.50 5 東大阪市 4.65
6 茨木市 3.65 6 大阪市中央区 3.35 6 大阪市北区 4.25 6 大阪市西区 3.82
7 高槻市 3.46 7 大阪市西区 3.34 7 大阪市西区 4.22 7 大阪市北区 3.58
8 東大阪市 3.03 8 東大阪市 3.09 8 大阪市城東区 3.53 8 大阪市 城東区 3.36
9 大阪市城東区 2.87 9 大阪市 都島区 2.76 9 大阪市天王寺区 2.78 9 大阪市 都島区 2.66
10 箕面市 2.73 10 池田市 2.70 10 枚方市 2.77 10 大阪市天王寺区 2.59

兵庫県:西宮市強し!神戸市の中心区が上位に進出

 兵庫県では掲出した4年のすべてで西宮市が1位となっています。シェアも12~13%を維持しており、同市は兵庫県における中古流通の中心と言って良いでしょう。また尼崎市も2001年5位、2006年4位、2011年3位、2012年3位と徐々に順位とシェアを上昇させており、流通が活性化していることがわかります。
 神戸市では東灘区が2001年3位、2006年3位、2011年2位、2012年2位とシェアも上昇し1位に肉薄しています。また中央区は2001年と2006年はベスト10圏外でしたが、2011年には5位、2012年には4位と急激に流通事例数が伸びているのがわかります。2012年には灘区も8位に入り、阪神間の人気エリアである東灘区、灘区、中央区が「そろい踏み」しました。対照的に、神戸市西区は2001年、2006年ともに10位でしたが2011年以降はランク外です。同区では新築マンションの供給が少なく、中古市場も停滞していることがわかります。兵庫県では郊外の中核都市である明石市と姫路市でもコンスタントに流通物件が発生しているようです。

兵庫県 中古マンション流通事例数シェアランキング (単位:%)

2001年 2006年 2011年 2012年
1 西宮市 12.09 1 西宮市 11.22 1 西宮市 12.53 1 西宮市 13.07
2 明石市 8.83 2 明石市 9.18 2 神戸市東灘区 10.87 2 神戸市東灘区 11.17
3 神戸市東灘区 8.58 3 神戸市東灘区 8.45 3 尼崎市 9.28 3 尼崎市 9.63
4 宝塚市 8.03 4 尼崎市 7.97 4 宝塚市 8.24 4 神戸市中央区 8.56
5 尼崎市 6.48 5 宝塚市 7.80 5 神戸市 中央区 7.86 5 宝塚市 7.54
6 神戸市垂水区 5.57 6 神戸市須磨区 6.47 6 明石市 6.74 6 明石市 6.10
7 姫路市 5.32 7 神戸市垂水区 5.46 7 芦屋市 5.44 7 芦屋市 4.97
8 神戸市須磨区 5.19 8 姫路市 5.45 8 神戸市垂水区 4.88 8 神戸市灘区 4.73
9 芦屋市 5.10 9 芦屋市 5.26 9 神戸市須磨区 4.36 9 神戸市垂水区 4.44
10 神戸市西区 4.99 10 神戸市西区 4.92 10 姫路市 4.28 10 姫路市 4.22

京都府:入れ替えがあったのは1区のみ 最も動きの少ないエリア

 京都府は地域内で中古マンション流通が限られており、最も動きの少ない地域と言えるでしょう。ランクインした行政区は4ヵ年で僅か11に留まり、2001年と2006年の10位であった京都市西京区が東山区に替わっただけで、上位9行政区の顔ぶれは順位に変動はあるものの全く同じになっています。そんな中で伏見区は4年ともに1位となっています。2012年は2位の中京区にシェアで肉薄されていますが、依然13.87%という高いシェアを維持しています。変化の乏しい京都府でも2001年と2012年の順位を見ると、京都市の中心部へのシフトが見られます。京都市中京区、下京区など中心行政区の多くは2012年には2001年よりもシェアが上昇しており、中古マンションの流通が中心部で活性化していることが明らかです。

京都府 中古マンション流通事例数シェアランキング (単位:%)

2001年 2006年 2011年 2012年
1 京都市伏見区 14.79 1 京都市伏見区 15.50 1 京都市伏見区 14.63 1 京都市伏見区 13.87
2 京都市右京区 12.95 2 京都市中京区 10.85 2 京都市中京区 14.18 2 京都市中京区 13.27
3 京都市中京区 10.50 3 京都市右京区 10.75 3 京都市下京区 10.96 3 京都市下京区 10.52
4 宇治市 7.43 4 宇治市 7.62 4 京都市右京区 8.16 4 京都市右京区 8.07
5 京都市南区 6.58 5 京都市南区 7.57 5 京都市上京区 7.59 5 京都市上京区 7.35
6 京都市左京区 6.44 6 京都市上京区 7.28 6 京都市左京区 5.81 6 京都市山科区 5.75
7 京都市下京区 6.22 7 京都市下京区 6.78 7 京都市南区 5.17 7 京都市南区 5.55
8 京都市山科区 6.14 8 京都市左京区 5.81 8 京都市山科区 4.90 8 京都市左京区 5.47
9 京都市上京区 5.56 9 京都市山科区 4.65 9 宇治市 4.79 9 宇治市 4.77
10 京都市西京区 4.60 10 京都市西京区 4.37 10 京都市東山区 4.44 10 京都市東山区 4.17

愛知県:名古屋市の上位にランクインする行政区はほぼ固定化

 愛知県ではもともと名古屋市中心部の千種区と中区の流通シェアが高い傾向があり、2001年、2006年、2011年2012年ともにベスト3の一角を占めています。2006年には岡崎市が1位となっていることにも象徴されるように、愛知県の上位10位の中には名古屋市以外の郊外都市、特にトヨタ自動車お膝元の西三河地区の市がランクインするという特徴もあります。2001年には4位に岡崎市、5位に豊橋市、10位に春日井市が、2006年には1位に岡崎市、9位に春日井市が、2011年には5位に岡崎市、10位に豊田市が、2012年には6位に岡崎市が、10位に一宮市が入っています。名古屋市では千種区、中区の他にも東区、天白区や名東区は常に上位にランクされ中古流通が盛んです。郊外都市の入れ替えがあっても名古屋市中心区の顔ぶれはほとんど変化がありません。

愛知県 中古マンション流通事例数シェアランキング (単位:%)

2001年 2006年 2011年 2012年
1 名古屋市千種区 6.57 1 岡崎市 6.78 1 名古屋市中区 8.18 1 名古屋市中区 7.86
2 名古屋市中区 5.98 2 名古屋市中区 6.45 2 名古屋市千種区 6.74 2 名古屋市千種区 7.36
3 名古屋市天白区 5.52 3 名古屋市千種区 5.14 3 名古屋市天白区 4.73 3 名古屋市天白区 5.57
4 岡崎市 5.11 4 名古屋市天白区 4.82 4 名古屋市東区 4.54 4 名古屋市名東区 4.58
5 豊橋市 4.63 5 名古屋市名東区 4.27 5 岡崎市 4.40 5 名古屋市東区 4.49
6 名古屋市名東区 4.54 6 名古屋市東区 3.90 6 名古屋市名東区 4.18 6 岡崎市 4.41
7 名古屋市緑区 4.00 7 名古屋市守山区 3.64 7 名古屋市昭和区 3.87 7 名古屋市昭和区 3.91
8 名古屋市昭和区 3.83 8 名古屋市緑区 3.55 8 名古屋市緑区 3.73 8 名古屋市緑区 3.57
9 名古屋市東区 3.69 9 春日井市 3.41 9 名古屋市守山区 3.44 9 名古屋市守山区 3.28
10 春日井市 3.45 10 名古屋市昭和区 3.33 10 豊田市 3.30 10 一宮市 3.14

福岡県:上位4位は福岡市の中心行政区が独占

 福岡県は2003年、2007年、2011年、2012年の4年を抽出してランキング化しました。福岡県ではやはり圧倒的に福岡市の中古流通が活性化していて、同市の全7区がすべての年にランクインしています。特に福岡市中央区は4ヵ年全て1位となり、シェアも2位を大きく引き離し圧倒的な大きさを誇っています。
2011年には19.14%、2012年には18.89%と福岡県の中古マンション事例の約2割は中央区に集中しています。また、博多区、南区、東区も常に高いシェアを維持し中央区を含めこれら4区が上位を独占しています。これら4区のシェアの合計は2011年には50.22%と過半を超え、2012年にも49.45%に達しており、同県の中古流通の半数はこれら4区が占めています。この状況は2003年からほとんど変化がありません。他の行政区では北九州市小倉北区と八幡西区で11~14%程度、久留米市が5%程度の中古流通シェアを占めています。

福岡県 中古マンション流通事例数シェアランキング (単位:%)

2003年 2007年 2011年 2012年
1 福岡市中央区 15.94 1 福岡市中央区 14.94 1 福岡市中央区 19.14 1 福岡市中央区 18.89
2 福岡市南区 11.75 2 福岡市南区 10.25 2 福岡市博多区 12.30 2 福岡市博多区 11.01
3 福岡市東区 10.78 3 岡市博多区 9.55 3 福岡市南区 9.83 3 福岡市南区 10.82
4 福岡市博多区 9.04 4 福岡市東区 9.49 4 福岡市東区 8.94 4 福岡市東区 8.73
5 北九州市 小倉北区 8.17 5 北九州市八幡西区 7.87 5 北九州市小倉北区 6.42 5 北九州市小倉北区 6.26
6 福岡市西区 7.61 6 北九州市小倉北区 7.36 6 久留米市 5.52 6 北九州市八幡西区 5.72
7 福岡市早良区 7.58 7 福岡市早良区 5.76 7 福岡市早良区 5.25 7 久留米市 5.33
8 北九州市 八幡西区 6.85 8 福岡市西区 5.66 8 北九州市 八幡西区 5.02 8 福岡市西区 4.85
9 福岡市城南区 3.31 9 久留米市 3.86 9 福岡市西区 4.97 9 福岡市早良区 4.73
10 北九州市小倉南区 2.96 10 福岡市城南区 3.05 10 福岡市城南区 3.22 10 福岡市城南区 3.53

 近畿圏、中部圏、福岡県の中古マンション流通シェアの変遷を見ると、大阪市、神戸市、京都市では各中心部に中古流通事例が集中してシェアが高まっている状況が明らかになりました。名古屋市や福岡市もほぼ同様で、これら各中心部の行政区では例外なく新築マンションの供給の中心地であり、当然のことながらその新築マンションから後年発生した中古物件の流通も多くなるということです。これは、マンション供給適地として固定化するという、首都圏と同様の動きです。今後のランキングは新築マンションの供給動向に合わせて微妙に変化していくと見られますが、各中心部での流通が急激に減少することはなく、安定した中古マンション市場を形成するものと考えられます。

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