不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報不動産マーケット情報2013年 三大都市圏の中古マンション価格(坪単価)推移(2014年2月号)

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2014年2月号

不動産市況や業界動向などの旬な情報を記載したコラムです。

2013年 三大都市圏の中古マンション価格(坪単価)推移

~直近の中古マンション価格動向を月単位で追いかけると・・・~

三大都市圏:首都圏は上昇、近畿圏と中部圏は横ばい?

 首都圏の中古マンションの坪単価は2013年5月まで下落していましたが、6月以降やや持ち直しています。5月に135.8万円まで下落したところで底を打ち、12月には139.1万円まで6ヵ月間で2.4%上昇しました。上昇率は新築マンションに比べて緩やかなのが中古マンションの特徴です。これは地域相場観が急激には変動しないためです。12月の139.1万円も2012年7月の水準と同じで、急上昇というよりは回復という表現が正しいでしょう。

 一方、近畿圏や中部圏はともにほぼ横ばいで、中部圏では11月以降2ヵ月連続で2.6%上昇したものの、坪単価水準自体に大きな変化は見られません。2012年1月から2013年12月の2年間では、近畿圏では83.9万円から86.3万円の2.4万円の間で、中部圏は65.0万円から67.8万円の2.8万円の間を変動し、極めてレンジが狭い安定した動きとなっています。しかし各圏域の主要都市では、これらの動きとは異なる価格動向を示している都市があります。政令市を中心に、都市ごとの坪単価の動きを見てみましょう。

主要都市の中古マンション坪単価推移:いち早く上昇しているエリアもある

 首都圏全域の坪単価は昨夏以降緩やかに上昇していますが、実は既に上昇しているエリアと、全く上昇していないエリアがあります。例えば東京23区は、2013年3月の196.0万円を底に4月以降上昇に転じており、12月にはやや下落したものの200万円を超える水準は維持しています。この間の上昇率は4.2%です。また川崎市も2013年5月の130.7万円を直近の底に、12月には138.3万円まで5.8%上昇しています。一方、横浜市や千葉市、さいたま市では上昇しているとは言い難い動きをしています。このようなエリアごとの違いは中古マンションへのニーズの多寡によって決まるのですが、中古マンションのニーズは、新築マンション市場の活性度合いに影響を受けることが多いのが現状です。新築マンション価格が上昇している地域では、中古マンションの価格もほぼ同時期に上昇し始めるケースが見受けられます。新築価格が上昇するとニーズの一部は中古物件にシフトしますから、需給バランスが改善され、若干のタイムラグを経て中古の価格も上昇するのです。

 三大都市圏の新築・中古マンション坪単価推移を追ってみると、新築マンションの供給が盛んな地域から中古マンション坪単価が回復するという傾向が見えてきます。新築マンションが数多く供給されることによって、多くの購入希望者がそのエリアに注目し、その影響が良い意味で中古市場にも波及するからです。
 首都圏の新築マンション坪単価が上昇し始めているのは東京23区と川崎市に限られます。近畿圏では京都市が、また中部圏では名古屋市が上昇傾向にあります。他のエリアでは2012年の坪単価水準を2013年も維持しており、明確な上昇はしていません。

 このように、新築マンション市場の動きから中古市場の動きをある程度掴めることがわかりました。住宅を住み替える際、新築マンションを購入してこれまで住んでいたマンションを売却する例も多いですから、新築市場と中古市場の動きに連動性があるのも頷けます。中古マンションの購入や売却をお考えの方は、新築市場の動きにも注意を払うことをお勧めします。
 また、坪単価の動きはエリアごとに「上昇一色」や「すべて横ばい」という単純なものではないこともわかります。中古マンションの価格は、圏域の動きと特定エリアの動きが異なることもありますから、アベノミクスだからとか、消費増税されるから、といった画一的な状況だけでなく、エリアごとの状況を把握することで市況が客観的に把握できるようになります。マンションの購入や売却の際には「木も森も見る」ことが大切です。

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