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2012年4月号

不動産市況や業界動向などの旬な情報を記載したコラムです。

中古マンションのリセールバリュー 駅別徹底比較!


 これらのことを前提に三大都市圏の駅ごとにリセールバリューを算出したのが、以下の一覧表です。首都圏と近畿圏で分譲当時の価格(坪単価)によって表を区分しているのは、10年という歳月が経過するうちに、新駅や大きなショッピングセンターができたり、電車の相互乗り入れによって利便性が向上したりというケースがあり、分譲価格だけでは価値が決まらないためです。ここでも価格と価値は似て非なるものであることがわかります。

 首都圏で分譲時の坪単価が200万円以上の駅では、「神保町」「九段下」「恵比寿」「茗荷谷」「青山一丁目」など都心の住宅地として人気の高いエリア、「代々木上原」「下北沢」「学芸大学」など都心に隣接した交通利便性の良いエリア、「月島」「門前仲町」「八丁堀」「人形町」などの下町エリア、などが上位にランキングされています。いずれも立地条件としての交通利便性、生活利便性が確保されているだけでなく、居住快適性などもバランス良く整っていることがリセールバリュー=資産価値を高く保っている要因でしょう。
 また、坪単価が200万円未満の駅でも、「東雲」「潮見」などの湾岸再開発エリア、「元町・中華街」「関内」「横浜」「日吉」などの神奈川県中心部のように交通利便性と価格のバランスが良いエリアが並び、「五反野」「本厚木」「京成大久保」など郊外に位置していても都心へのアクセスが良い駅が登場しています。エリアのコストパフォーマンスが良好であることが上位にランクされるポイントとなっていることがわかります。

 近畿圏で 分譲時の坪単価が 150 万円以上の駅では、「烏丸御池」「北大路」「蹴上」「国際会館」「修学院」など京都市中心部、「心斎橋」「南森町」「大阪天満宮」「天王寺」などの大阪市中心部、「三ノ宮」「西宮北口」「芦屋川」「武庫之荘」「芦屋」など阪神間の人気住宅地が上位に登場しています。好みの問題もありますが、交通利便性と居住快適性が確保されているエリアはリセールバリューも高いということが明確です。
 坪単価が 150 万円未満の駅でも、「烏丸」「二条」「五条」「今出川」などの京都市中心部、「中之島」「西長堀」「中津」「福島」など大阪市中心部の商業地エリア、「北伊丹」「中山寺」「三国」「千里丘」など北摂エリアが登場しており、首都圏同様に交通利便性の高さを根拠としたコストパフォーマンションの良さがリセールバリューに直結しています。

 中部圏でもその傾向は首都圏・近畿圏と同じです。分譲当時の価格に大きな差がないので、一つの表で掲出しました。「今池」「金山」「赤池」「池下」「久屋大通」など名古屋市中心部の商業地、「覚王山」「上社」「名古屋大学」「茶屋ヶ坂」「星ヶ丘」「藤が丘」などの人気の高い住宅地があるエリアが上位に登場し、職住近接の生活が実現可能なエリア、もしくは以前から住宅地として発展してきた名古屋市東部エリアのリセールバリューが良好です。やはり交通と生活利便性の良さは資産性にも反映されているのです。

 これらに共通するのは、いずれのエリアでも人気の高い住宅地があったり、交通利便性が良く通勤・通学の便が良いエリアであったり、再開発が進んで生活利便性が向上したりしている駅が上位に並んでいるという事実です。東京や大阪では頻繁に“住んでみたい街ランキング”などの人気投票結果が発表されていますが、便利&快適に暮らしていけそうなイメージがあるエリアが毎年上位にランキングされているわけですから、リセールバリューの一覧と共通する駅も結果的にたくさん登場してくるのです。人気ランキングとの決定的な違いは、この表がリセールバリュー=資産価値の結果を示しているということです。

 単にマンションの価格が高いか安いかではなく、価値が高いエリアで自分の条件に適ったマンションを購入することで、その後の生活における経済的な側面を担保してくれる可能性が高まります。物件を選ぶ際に“なぜこのマンションはこの価格で販売されているのか”という価格の根拠を考えることが、資産価値の高いマンションを購入するための第一歩なのです。

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