写真は「洛東名産陶器販売所」の文字が見える陶器店の店先で、「清水坂」近辺と思われる。現在は伝統工芸品の「京焼・清水焼」として京都府知事指定を受けているが、京焼としては江戸時代に野々村仁清、尾形乾山らの名工を輩出した。
ものづくりの伝統、京の産業
「京焼・清水焼」 名工を輩出した焼き物の里
「友禅染」 「鴨川」の水でさらした、優美な伝統工芸品
「西陣織」 職人の技術が豪華な衣装を生み出し続ける
日本を代表する精密機械メーカー「島津製作所」 MAP __
「任天堂」「オムロン」「京セラ」… 続々と生まれたユニーク企業
1930(昭和5)年に竣工した、かつての「任天堂」の本社。
【画像は1937(昭和12)年】MAP __
「清水焼」「友禅染」「西陣織」などの伝統産業で知られる京都であるが、明治期以降には、次々と新しい産業も興った。中でも、現在に続くユニークな企業として、ゲーム機メーカーの「任天堂」、電子機器の「オムロン」、電子・情報・通信機器の「京セラ」を紹介したい。
「任天堂」は、1889(明治22)年、「鴨川」に架かる「正面大橋」西側(現・下京区)で山内房治郎氏が始めた花札づくりに始まり、カルタ、トランプを製作する会社として発展した。現在では、ゲーム機メーカーとして世界に名を響かせている。本社は南区に移ったが、創業地には昭和初期に建てられたかつての本社ビルが今も残されている。
「オムロン」は1930(昭和5)年、立石一真氏が下京区(現・南区)に設立した「彩光社」がルーツで、「立石電機」を経て、1990(平成2)年に現在の社名となった。ベンチャー精神あふれる社風で、家庭用電子血圧計では世界トップシェアを誇っている。
1959(昭和34)年創業という、戦後生まれの「京都セラミック」は、現在では稲森和夫氏の手で日本有数の大企業、「京セラ」に成長している。
いずれも、他に例のないユニークな企業で、京都の産業の発展にも大きく寄与している。