「根津権現」(明治期以降「根津神社」へ改称)は1900年以上前、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際、戦勝祈願のため、千駄木で創祀したことに始まったと伝わる、東京で最古級の神社。社名の由来は、江戸前期の書物に記されている「不寝(ねず)権現」など、諸説はあるが、不詳となっている。
現在の文京区は、1878(明治11)年に設置された本郷区と小石川区が、1947(昭和22)年に合併し誕生。江戸期の本郷・小石川は、大名屋敷・武家屋敷や寺社が多数置かれていたほか、「中山道」沿いや、大きな寺社の門前では商業が発達した。また、江戸期から幕府や寺院の学問所があり、明治期以降は学問所や大名屋敷の跡地などに「東京大学」をはじめ多くの学校が置かれ、周辺には多くの文学者や文化人も暮らすようになるなど、『文の京(ふみのみやこ)』としても発展した。1884(明治17)年には、「東京大学」の学生3人が、キャンパスそばの本郷区向ヶ丘弥生町(現・文京区弥生)で土器を発見。地名から「弥生式土器」と命名され、この土器が使われた時代を「弥生時代」と呼ぶなど、日本の考古学史上でも重要な地ともなっている。