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六甲山地と灘五郷、阪神間の前史


豊かな緑と水の六甲山地 花崗岩は切り出され「御影石」に MAP 1

神戸市から芦屋市、西宮市の北側に広がる六甲山地は、緑の豊かな山であり、山から流れ出る、豊かな湧水の存在は御影や魚崎などの酒造りの里を育んだ。また、良質な花崗岩の石材産地としても知られ、安土桃山時代には「大坂城」の築城の際にも使用された。【画像は昭和前期】

六甲山地から切り出される石材は、江戸時代に評判となり、地名をとって「御影石」と呼ばれ、船で運ばれ全国各地に売り出された。御影は「御影石」の積み出し港としても栄えた。写真は「御影石」の採石場の様子。【画像は1911(明治44)年】

旧御影・郡家村などの氏神「弓弦羽神社」 MAP 2

「弓弦羽(ゆづるは)神社」は849(嘉祥2)年の創祀とされ、伊弉冊尊(いざなみのみこと)などを祭神とする。旧御影・郡家(ぐんげ)・平野村の総氏神で、社伝によれば、古代、神功皇后が戦勝を祈願し、山中に弓矢・甲冑を納めたことから、その山が「弓弦羽嶽(弓矢)」や「六甲山(甲冑)」とも呼ばれるようになったという。【画像は明治後期】

阪急「御影駅」の南東に鎮座し、氏子には酒造家も多い。元旦には「鏡開」が行われ、「菊正宗」「白鶴」「剣菱」の樽酒が振る舞われる。近年では、フィギュアスケートの羽生結弦選手が参拝したことでも有名になった。

『摂津名所図会』にも描かれた「岡本梅林」 MAP 3

古くから「梅は岡本、桜は吉野、蜜柑紀の国、栗丹波」と詠われるほど有名な梅の名所であった。明治時代には乗客を楽しませるために、南側を走る官営鉄道(現・JR)の列車が一時停車をしたといわれる。【画像は明治後期~大正期】

名高い梅の名所も、水害や戦災、宅地開発などで消滅の危機を迎えたが、昭和40年代半ばからの神戸市や地元有志の活動で復活を遂げ、1982(昭和57)年に「岡本梅林公園」が開園した。

「白鶴」「菊正宗」「剣菱」などの酒造業で繁栄「御影郷」 MAP 4

御影の地名の由来には諸説あるが、「澤の井」に神功皇后が御姿を映したことが由来とされている。この地では、「灘五郷」の一つ「御影郷」として酒造業が発展した。写真は「白鶴酒造」の重ね蔵の様子。【画像は大正~昭和前期】

大正時代に建造された木造の酒蔵を活用して、1982(昭和57)年に開館した「白鶴酒造資料館」。蔵人が酒造りをする様子を再現した人形、実際に使われていた道具などが展示され、原酒の利き酒ができるコーナーも設けられている。

「灘五郷」地域の中心 「魚崎郷」 MAP 5

江戸時代以降、「魚崎郷」は「御影郷」、「西郷」などとともに、「灘五郷」の一つとして栄えた。魚崎には、1905(明治38)年に阪神の「魚崎駅」が開業した。写真は「櫻正宗」の醸造元である「山邑(やまむら)酒造」で、右上の人物は八代目山邑太左衛門。【画像は1915(大正4)年】

1998(平成10)年に開館、2010(平成22)年にリニューアルした「櫻正宗記念館櫻宴」は「櫻正宗」創醸400年の歴史を物語る酒造道具、 昔懐かしい看板や酒瓶、ラベルを展示するほか、レストランなども併設されている。


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※企画制作協力 / 田中真治



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