大田区から世田谷区にかけての「武蔵野台地」の南端部、「多摩川」の河岸段丘上には「田園調布古墳群」(主に大田区域内)、「野毛古墳群」(主に世田谷区域内)があり、総称して「荏原台(えばらだい)古墳群」と呼ばれる。「荏原台古墳群」で最大となる全長約107m、高さ約10mの規模を誇る「亀甲山(かめのこやま)古墳」は前方後円墳で、4世紀後半に築造された首長墓と考えられている。写真は1935(昭和10)年頃の撮影。1928(昭和3)年に国の史跡に指定されている。
「亀甲山古墳」の後円部の南端部分は、大正期に「玉川水道」の「調布浄水場」の沈殿池を建設するために一部(写真正面の樹木がある場所付近)が削られた。現在、「亀甲山古墳」を含む一帯は「多摩川台公園」となっており、園内に古墳展示室が設けられているほか、「調布浄水場」の沈殿池跡は水生植物園となっている。