不動産の知識・税金の知識

知っておきたい
税金の基礎知識

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不動産の購入・売却時にかかる税金のポイントを、わかりやすくまとめました。

1.不動産の売却時における税金

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譲渡所得税

(6)取得費(原則)
①取得費

 譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、原則として、その資産の取得に要した金額、設備費および改良費の合計額とされています。この場合、その資産が家屋等の減価する資産であるときは、この合計額からその資産の取得後の経過期間に応ずる償却費の額または減価の額(以下ロ参照)を控除した金額とされます。
 取得費 = 取得価額 + 設備費 + 改良費 - 減価の額(減価する資産について)

②取得価額

 取得価額とは、その資産を取得したときに要した金額のことをいいます。マンション等のように建物と土地を一括で購入している場合であっても、建物の償却費相当額の計算にあたり、取得価額を「建物の取得価額」と「土地の取得価額」に区分する必要があります。

③取得価額に含まれる費用

 他から購入した資産については次の費用が取得価額に含まれます。

  • イ.
  • 購入手数料
  • ロ.
  • 土地や建物を購入(贈与、相続又は遺贈による取得も含みます。)したときに納めた登録免許税(登記費用も含みます。)、不動産取得税、印紙税
    なお、業務の用に供される資産の場合には、これらの税金は取得費に含まれません。
  • ハ.
  • 借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料
  • 二.
  • 土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
  • ホ.
  • 土地の測量費
  • ヘ.
  • 所有権などを確保するために要した訴訟費用
    なお、相続財産である土地を遺産分割するためにかかった訴訟費用等は、取得費になりません。
  • ト.
  • 建物付の土地を購入して、その後おおむね1年以内に建物を取り壊すなど、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用
  • チ.
  • 土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子
  • リ.
  • 既に締結されている土地などの購入契約を解除して、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金
    ただし、上記の費用であっても事業所得などの必要経費に算入されたものは取得費に含まれません。

④設備費・改良費

 設備費とは、資産を取得した後に付加した設備費用をいい、改良費とは、資産を取得した後にその資産に加えた改良のための費用をいいます。

⑤価値が減少する資産の取得費
  • イ.
  • 償却費
     建物、構築物、機械、器具等のように、使用または期間の経過によって価値の減少する資産の取得費は、その資産の取得価額、設備費、改良費の合計額から、その所有期間に応ずる償却費または償却費相当額を控除して計算します。
  • ロ.
  • 償却費の算定方法
     償却費、償却費相当額は次のように計算して求めます。
主な建物の耐用年数と定額法償却率(住宅用) 〈償却費相当額の計算例〉

 平成22年10月4日に新築で購入した木造住宅(取得価額40,000,000 円)を、令和4年7月7日に売却
 40,000,000 円 × 0.9 × 0.031 × 12 = 13,392,000 円………償却費相当額

⑥概算取得費

 譲渡した土地、建物等の実際の取得費が不明な場合や、実際の取得費が譲渡した土地、建物等の収入金額の5%相当額より少ない場合には、譲渡した土地、建物等の譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができます。

 概算取得費 = 譲渡収入金額 × 5%

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