「土地活用」は、資産運用の基本的な知識を身に付け、税制や税法上の特例を理解したうえで、資産全体を総合的に把握することが大切です。また、立地条件や広さ・形等によってもベストな活用方法は異なります。本コンテンツは、土地活用のポイントをQ&A、ケーススタディで解説しています。
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相続を意識する
Case6遊休地をコインパーキング会社に貸与する
遊休地をコインパーキング会社へ一括貸与した
管理の手間もなく収入も増え、相続税の納税資金が確保できる
前提条件
遊休地:165m²
時価:4,125万円
貸付状況:コインパーキング会社に一括貸付
不動産所得の計算
(1) 不動産収入金額:120万円(月料金10万円×12ヵ月)
(2) 必要経費:57万800円(①~②の合計)
①固定資産税等:49万800円
固定資産税(1.4%):40万4,200円(固定資産税評価額2,887万5,000円×1.4%)
都市計画税(0.3%):8万6,600円(固定資産税評価額2,887万5,000円×0.3%)
(注)端数(100円未満)切捨て。
☆固定資産税評価額:2,887万5,000円(時価4,125万円×70%)
②その他の雑費:8万円
(3) 青色申告特別控除:10万円
(4) 不動産所得金額:52万9,200円((1)-(2)-(3))
相続税評価額の計算
(1) コインパーキング場の評価額:3,217万5,000円(路線価20万円×165m²×(1-法定地上権割合5%×1/2))
(2) 小規模宅地等の特例:1,608万7,500円((1)評価額3,217万5,000円×50%)
(3) 相続税の評価額:1,608万7,500円(3,217万5,000円(1)-1,608万7,500円(2))
(4) コインパーキング場の評価減:1,608万7,500円(3,217万5,000円(1)-1,608万7,500円(3))
留意点
月極めの駐車場として活用している土地の所有者が、相続によって変更された場合、その土地の新たな所有者である相続人は、駐車場の利用者と新たに契約を行う必要があり、駐車台数が多い駐車場の場合、けっこうな手間と時間のかかる作業となります。
その点、事例のようにコインパーキング会社と契約をしている場合には、コインパーキング会社と再契約を行うことで、契約が承継されることになります。
駐車場の経営にあたり、駐車場管理会社を利用することで、相続にかかる契約承継の煩雑さから解放されるメリットがあります。
自宅から少し離れた地方の商店街の一角に遊休地を所有していました。
貸駐車場に利用することを計画しましたが、砂利敷きをアスファルト舗装にすること、月極契約、その後の管理などに躊躇してしまいました。
そのような折、コインパーキング会社から駐車場にするためのアスファルト舗装などの工事、開業してからの管理をすべて行うという話がありましたので一括貸付することにしました。
将来の子どもたちの相続税の納税資金をコインパーキング会社からの賃料で確保することも考えています。
賃料は月極駐車場として貸した場合の1.5倍から2倍になると予想されます。
一時賃貸契約期間は2年間で、1年ずつの延長または契約解除が可能です。
また建物等の所有を目的とする契約ではないので借地権設定の心配もありません。