初めて不動産の売買契約を締結される方が売買契約書をご覧になった際などに参考にして頂けるよう、分かりやすい言葉、一般的に使われている言葉で、法律の基本的な事項を解説しています。
管轄裁判所
管轄裁判所とは、本コンテンツとの関係でいえば、不動産の売買契約に関する訴訟を提起する場合に、その訴訟を行うことができる裁判所のことをいいます。
例えば、個人である買主が購入した土地について、個人である売主に対して土地の移転登記手続を請求する訴訟を起こす場合には、売主の住所地と購入した土地の所在地の裁判所に管轄があることになります。
管轄裁判所は、民事訴訟法などの法律で定められています。
【Q 管轄裁判所とは何ですか。】のとおり、訴訟を行うことができる裁判所は、法律上決まっているのですが、どこの裁判所で訴訟をするかということを事前に当事者の合意で定めておくことができます。不動産の売買契約書にも、このような事項を定めた管轄裁判所の合意が規定されていることが多いです。
管轄裁判所を定めておくことによって、法律上決まっている裁判所以外の場所の裁判所でも訴訟を起こすことができます。また、訴訟を起こすのであれば契約書で定めた場所の裁判所に限定するといった合意をすることもできます。
一定の例外はあるものの、民事裁判では、原則として当事者または代理人が裁判所に直接出頭しなければなりません。また、事案によっては、裁判が長期化することもあります。そのため、事前に管轄裁判所を定めておくことにより、万一、訴訟が起こってしまった場合に、遠方の裁判所まで出頭しなければならないというリスクを回避することができます。