不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報不動産(土地)活用のポイント第3章 ケーススタディ~不動産(土地)活用事例 Case7 配偶者控除を用いた贈与の活用

不動産(土地)活用のポイント

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「土地活用」は、資産運用の基本的な知識を身に付け、税制や税法上の特例を理解したうえで、資産全体を総合的に把握することが大切です。また、立地条件や広さ・形等によってもベストな活用方法は異なります。本コンテンツは、土地活用のポイントをQ&A、ケーススタディで解説しています。

※具体的に計算例をあげて解説していきますが、地方税の税率は市区町村によって条例で決定されますので、実際に計算される際の数値については、納税通知書でご確認ください。

※このケーススタディは、あくまでも不動産(土地)活用について、具体的にイメージしていただくために記載しております。実際には事例と異なる場合もあります。

第3章 ケーススタディ~不動産(土地)活用事例

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相続を意識する

Case7配偶者控除を用いた贈与の活用

自宅の一部を夫から妻に生前贈与

配偶者控除を活用し、贈与税のみならず将来の相続税も節税

長年連れ添ってくれた感謝の意を込めて妻に自宅(土地と建物)の1/4を贈与しました。これらの相続税評価額は全体で8,000万円でしたので、2,000万円の贈与です。結婚して20年以上過ぎていますので、「贈与税の配偶者控除」の非課税枠2,000万円を使いました。贈与後に名義変更の登記料と不動産取得税がかかりますので現金110万円も同時に贈与しました。「贈与税の配偶者控除」と「通常の基礎控除」を利用しましたので、贈与税はかかりませんでした。

前提条件

自宅の土地・建物の評価額:8,000万円(敷地6,000万円(165m²)+建物2,000万円)

贈与額(自宅の土地と建物):2,000万円

贈与額(現金):110万円

家族関係:夫婦、子ども2人

相続時の取得財産:法定相続分どおり相続した

贈与税の計算

(1) 贈与財産の合計額:2,110万円(自宅の土地と建物2,000万円+現金110万円)

(2) 配偶者控除額:2,000万円

(3) 基礎控除額:110万円

(4) 基礎控除後の課税価格:0円(2,110万円(1)-2,000万円(2)-110万円(3))

(5) 贈与税額:0円

相続税の負担比較(平成27年1月1日以後の相続の場合)

(1) 贈与前

①相続財産の計:6億8,000万円(土地6,000万円+建物2,000万円+その他財産6億円)

②基礎控除額:4,800万円(3,000万円+600万円×3人(法定相続人))

③課税遺産総額:6億3,200万円(6億3,200万円(①)-4,800万円(②)

④妻の法定相続分:3億1,600万円(6億3,200万円(③)×1/2)

⑤妻の法定相続分:3億1,600万円(6億3,200万円(③)×1/2×1/2)

⑥妻の法定相続分に対する税額:1億1,600万円(3億1,600万円(④)×50%-4,200万円)

⑦子の法定相続分に対する税額:9,240万円((1億5,800万円(⑤)×40%-1,700万円)×2)

⑧相続税の総額:2億840万円(1億1,600万円(⑥)+9,240万円(⑦))

⑨相続税の総額を取得割合で配分:妻1億420万円(2億840万円(⑧)×1/2)
子1億420万円((2億840万円(⑧)×1/2×1/2)×2)

⑩納付相続税額:1億420万円(0円(配偶者に対する相続税額の軽減(詳しくはコラム 配偶者に対する相続税額の軽減 参照))+1億420万円(⑨の子))

(2) 贈与後

①相続財産の計:6億6,000万円(土地4,500万円+建物1,500万円+その他財産6億円)

②基礎控除額:4,800万円(3,000万円+600万円×3人(法定相続人))

③課税遺産総額:6億1,200万円(6億6,000万円(①)-4,800万円(②))

④妻の法定相続分:3億600万円(6億1,200万円(③)×1/2)

⑤子の法定相続分:1億5,300万円(6億1,200万円(③)×1/2×1/2)

⑥妻の法定相続分に対する税額:1億1,100万円(3億600万円(④)×50%-4,200万円)

⑦子の法定相続分に対する税額:8,840万円((1億5,300万円(⑤)×40%-1,700万円)×2)

⑧相続税の総額:1億9,940万円(1億1,100万円(⑥)+8,840万円(⑦))

⑨相続税の総額を取得割合で配分:妻9,970万円(1億9,940万円(⑧)×1/2)
子9,970万円((1億9,940万円(⑧)×1/2×1/2)×2)

⑩納付相続税額:9,970万円(0円(配偶者に対する相続税額の軽減(詳しくはコラム 配偶者に対する相続税額の軽減 参照))+9,970万円(⑨の子))

(3) 相続税の負担減:450万円(1億420万円((1)⑩)-9,970万円((2)⑩))

※その他財産の中に、より有利に「小規模宅地等の特例」を活用できる資産がありますので、小規模宅地等の特例については、そちらで使う予定のため、ここでは使っていません。

(「小規模宅地等の特例」について詳しくは、コラム 小規模宅地等の特例を受けると相続税が安くなる?を参照してください。)

留意点

2,000万円の贈与を受けた配偶者が先に亡くなっても、配偶者に固有の相続財産が少なく、相続税の基礎控除額の範囲内であれば、相続税は課税されません。

また、夫婦ともに生存中に自宅を売却することとなった際には、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を夫婦2人とも適用することができます。

コラム

一次相続・二次相続

相続税は、一定額以上の資産を有している人が亡くなると、その相続人に課税されます。

たとえば、両親のうち、父が亡くなり、母と子どもたちが相続した時を一次相続、その後母が亡くなり、子どもたちが相続することを二次相続といいます。

両親の財産の子どもたちへの移転には、この一次相続・二次相続を経て、はじめて完了することになります。

一次相続での相続人は、母と子ども2人の場合、合計3人です。

相続税額の計算上、生存配偶者(母親)の老後の生活保障などの考慮から

①配偶者に対する相続税額の軽減

②自宅の土地については小規模宅地等の特例(課税価格を最大80%減額)
が設けられており、大幅に税額軽減されています。

二次相続では、相続人が2人になり、上記の①配偶者に対する相続税額の軽減はありません。また、②自宅の土地の小規模宅地等の特例は、一定の要件を満たさないと適用できません。

二次相続の相続税の方が多額になる可能性があります。

一次相続では、将来の二次相続まで考えて遺産分割を検討することが必要になります。

本コンテンツの内容について

このコンテンツは平成27年3月1日現在の法令に基づいて作成されています。