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賃貸経営の法律Q&A

賃貸経営の法律Q&A

賃貸経営の法律
Q&A

弁護士
銀座第一法律事務所
大谷 郁夫

賃貸経営に関する法律について、現在、賃貸経営を営まれている方はもちろんこれから賃貸経営を始めようとお考えの方に知っていただきたいポイントをわかりやすく解説しています。

※実際のトラブル等では個別性(地域の慣習等を含む)があり総合的に判断しなければなりません。弁護士等に早めにご相談のうえ判断していただくようお願いいたします。 また、本コンテンツの内容は、平成27年1月31日現在の法律に基づき作成されております。
賃貸経営に関する法律をQ&A形式で解説しています。

更新料

Q
契約を更新する際に更新料をもらってもいいですか。また、更新料はどれくらいもらってもいいですか。
A
1.更新料とは何か?

更新料とは、契約期間が終了し、契約を更新するときに、借主が大家さんに支払うお金です。 更新料については、更新料をとっている地域ととっていない地域があり、また、何のために支払うお金なのかはっきりしなかったので、その有効性について疑問がもたれていました。
しかし、最高裁判所は、平成23年7月15日、更新料条項は有効であるという判決を下しました。この判決はNHKのニュースでも取り上げられ、私もニュース内でコメントしました。
まず、最高裁判所は、更新料は何のために支払うお金かについて、賃料の一部としての性格と契約を継続する対価としての性格をもっているとしました。
また、最高裁判所は、更新料が賃料の一部と契約を継続する対価としての性格がある以上、更新料の支払は、経済的な合理性があり、更新料条項が契約書に明確に記載されていて、大家さんと借主が更新料の支払に関して明確に合意している場合には,大家さんが借主の情報不足や交渉力不足を利用して、一方的に不利な契約をさせたとは言えないとしています。

2.更新料はどれくらいもらっていいのか?

このように最高裁判所は、更新料条項を有効とする判決を下しました。
しかし、最高裁判所は、無条件に更新料条項を有効としたわけではありません。
更新料の額が「賃料の額や賃貸借契約が更新される期間などに照らして、高額すぎるなどの特段の事情がない限り」、更新料条項は有効だとしています。
つまり、契約期間と賃料月額からみて高額すぎるというときは、更新料条項が無効になることもあるのです。
最高裁判所は、比較的更新料の高い京都の事件について、契約期間1年で賃料の2ヶ月分の更新料条項を有効としています。しかし、首都圏では、大体契約期間2年で賃料の1か月分の更新料というのが一般的ですから、契約期間2年で賃料の2か月分の更新料というのが限界ではないでしょうか。

3.更新料を払わなかったら契約を解除できるか?

このように、更新料条項は有効ですので、借主は契約書に記載されている更新料を支払う義務があります。
従って、借主が更新料の支払いをしない場合は、契約違反となり、契約解除の理由となります。
もっとも、更新料は賃料1ヶ月分か2ヶ月分が普通ですので、更新料を払わないだけでは、契約解除を認める理由としては不十分です。通常、契約の解除が認められるのは、賃料の3か月分を滞納した場合ですから、更新料の不払いと賃料の2か月分の滞納があれば、契約解除は認められるでしょう。