「土地活用」は、資産運用の基本的な知識を身に付け、税制や税法上の特例を理解したうえで、資産全体を総合的に把握することが大切です。また、立地条件や広さ・形等によってもベストな活用方法は異なります。本コンテンツは、土地活用のポイントをQ&A、ケーススタディで解説しています。
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相続対策としての土地活用
Q18
会社を設立して不動産を所有・管理させようと考えています。相続対策として有効でしょうか。
A
土地の所有者が親、会社役員が子どもであれば賃貸物件の収益を子どもに移転させることができるなど、相続対策として有効です。
解説
解説
1.方法
不動産所有・管理を目的とした会社を設立、会社は親の所有の土地を賃借し、アパート等の賃貸物件を建築して、賃貸を始めるケースが考えられます。
通常は賃貸借の開始時に借地人から地主に借地権設定の対価として権利金が支払われます。
同族関係のある個人・法人間では、権利金のやり取りが行われないことが多く、権利金の認定課税が問題になります。この認定課税が生じないように「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出するとよいでしょう。
(注)「土地の無償返還に関する届出書」については、コラム 土地の無償返還に関する届出書の提出と20%相当額の評価減も参照して下さい。
2.メリット
会社が建築した賃貸物件から得られる収入は会社に帰属し、会社の役員や従業員に給与が支払われることとなります。土地の所有者が親、会社役員が子どもであれば賃貸物件の収益を子どもに移転させることができます。
また、会社に賃貸している土地の評価は、権利金の授受がなく「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合は、20%の評価減がなされます。
「土地の無償返還に関する届出書」は、当事者間において将来貸宅地を無償で返還することを約したものです。
3.会社の設立の出資者
会社の設立に当たって出資者(株主)を誰にするかが問題になります。
親が株主になった場合は、相続が発生すると会社の株式の評価の問題が生じます。