「土地活用」は、資産運用の基本的な知識を身に付け、税制や税法上の特例を理解したうえで、資産全体を総合的に把握することが大切です。また、立地条件や広さ・形等によってもベストな活用方法は異なります。本コンテンツは、土地活用のポイントをQ&A、ケーススタディで解説しています。
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相続対策としての土地活用
Q16
地積規模の大きな宅地の評価について教えてください。
A
地積規模の大きな宅地の面積の全部を相続税の評価対象にすると、実際に開発が行われた場合に宅地として利用できない道路・公園等の設置部分にも課税されることになり、実情に合った課税とはいえません。これを補正するために評価の減額措置がなされています。これを「地積規模の大きな宅地の評価」といいます。
解説
解説
1.地積規模の大きな宅地とは
「地積規模の大きな宅地」とは、三大都市圏※1においては500平方メートル以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地をいいます※2。
※1 三大都市圏とは、次の地域をいいます。
(1) 首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地または同条第4項に規定する近郊整備地帯
(2) 近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域または同条第4項に規定する近郊整備区域
(3) 中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域
※2 次の(1)から(4)のいずれかに該当する宅地は、地積規模の大きな宅地から除かれます。
(1) 一定の市街化調整区域に所在する宅地
(2) 都市計画法の用途地域が工業専用地域に指定されている地域に所在する宅地
(3) 指定容積率が400パーセント(東京都の特別区においては300パーセント)以上の地域に所在する宅地
(4) 財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地
2.評価方法
(1)路線価地域に所在する場合
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地は、路線価に、奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。
規模格差補正率は、次の算式により計算します(小数点以下第2位未満は切り捨てます。)。
上記算式中の「Ⓑ」および「Ⓒ」は、地積規模の大きな宅地の所在する地域に応じて、それぞれ次に掲げる表のとおりです。
(2)倍率地域に所在する場合
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地については、次に掲げる①の価額と②の価額のいずれか低い価額により評価します。
② その宅地が標準的な間口距離および奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額に、普通住宅地区の奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額