不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報不動産(土地)活用のポイント第3章 ケーススタディ~不動産(土地)活用事例 Case3 遊休地をサービス付き高齢者向け住宅にして貸す

不動産(土地)活用のポイント

不動産の有効活用・投資
大切な資産を活かして守る不動産(土地)活用のポイント
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「土地活用」は、資産運用の基本的な知識を身に付け、税制や税法上の特例を理解したうえで、資産全体を総合的に把握することが大切です。また、立地条件や広さ・形等によってもベストな活用方法は異なります。本コンテンツは、土地活用のポイントをQ&A、ケーススタディで解説しています。

※具体的に計算例をあげて解説していきますが、地方税の税率は市区町村によって条例で決定されますので、実際に計算される際の数値については、納税通知書でご確認ください。

※このケーススタディは、あくまでも不動産(土地)活用について、具体的にイメージしていただくために記載しております。実際には事例と異なる場合もあります。

第3章 ケーススタディ~不動産(土地)活用事例

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資産を守り収益をあげる

Case3遊休地をサービス付き高齢者向け住宅にして貸す

遊休地にサービス付き高齢者向け住宅を建築した

国からの補助金と安定した入居率により収益を確保

都内近郊に広い遊休地を所有していました。

サービス付き高齢者向け住宅の経営者から長期間一括借上げをしたいとの申し出があり、サービス付き高齢者向け住宅を建築しました。

※「サービス付き高齢者向け住宅」とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づく、介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅です。

建築費用は床面積1,500m²で、3億2,000万円かかりましたが、国からの供給促進のための補助金2,800万円を受け取りました。

融資面では、住宅金融支援機構が「サービス付き高齢者向け住宅」の建築に必要な資金2億9,200万円を低利で融資してくれました。返済期間が20年で利率が1.3%でしたので、毎月の元利合計返済額は約138万円です。

毎月の賃料収入が220万円、借入金の返済額が約138万円ですので、資金に余裕があります。「サービス付き高齢者向け住宅」の経営も順調で入居率もほぼ100%です。

前提条件

更地:1,000m²

時価:1億1,250万円

サービス付き高齢者向け住宅

床面積:1,500m²、3階建て

建築費:3億2,000万円(耐用年数27年(定額法償却率0.038))

建築資金

自己資金:0円

補助金:2,800万円

住宅金融支援機構からの借入額:2億9,200万円

借入期間:20年

利率:1.3%

返済額(元利均等):月138万2,000円

不動産所得の計算

(1) 家賃収入金額:2,640万円(家賃220万円×12ヵ月)

(2) 必要経費:1,855万400円(①~④の合計)

①固定資産税等:173万4,400円

土地の固定資産税(1.4%):18万3,700円(固定資産税評価額7,875万円×軽減1/6×1.4%)

土地の都市計画税(0.3%):7万8,700円(固定資産税評価額7,875万円×軽減1/3×0.3%)

建物の固定資産税(1.4%):89万6,000円(固定資産税評価額1億9,200万円×1.4%×サービス付住宅軽減1/3)

建物の都市計画税(0.3%):57万6,000円(固定資産税評価額1億9,200万円×0.3%)

(注)端数(100円未満)切捨て。

☆土地の固定資産税評価額:7,875万円(時価1億1,250万円×70%)

☆建物の固定資産税評価額:1億9,200万円(建築費3億2,000万円×60%)

②減価償却費:1,109万6,000円

サービス付き高齢者向け住宅:1,109万6,000円((建築費3億2,000万円-補助金2,800万円)×償却率0.038)

(注)減価償却の割増償却については計算外としました。

※減価償却費の計算は、建物と附属設備に分けて計算しますが、ここでは計算の簡便化のため一体で計算しています。

③借入金利息:372万円

④その他の経費:200万円

(注)青色申告特別控除は、他に不動産収入があるため計算していません。

(3) 不動産所得金額:784万9,600円((1)-(2))

留意点

サービス付き高齢者向け住宅は、その建築費用の一部に補助金が支給される点で、遊休地利用として有効な方法といえます。ただ、長期間の一括借り上げとする場合、安定した賃料収入を確保するため、賃料下落のリスクを回避することを考慮する必要があります。そこで、定期建物賃貸借契約を締結し、その契約の中で、家賃の改定にかかる特約を設け、賃料増減請求権を排除することで、安定した賃料収入を得ることができます。ただ、賃料の増減額請求権を排除すると、減額請求権を排除する一方、増額請求もできない点には注意が必要です。

また、定期借家契約でなくても、長期の賃貸借期間を設定し、途中解約を禁止する方法もあります。どのような契約内容にするかは、専門家の意見を聞きながら慎重に検討する必要があります。

コラム

サービス付き高齢者向け住宅の建築による税制の支援措置

サービス付き高齢者向け住宅について、令和7年3月31日(注)まで(所得税・法人税については平成28年3月31日まで)の間に、「サービス付き高齢者向け住宅」を新築または取得した場合、以下の特例が適用されます((注)令和5年度税制改正大綱に基づいて記載しています)。

新築(新築後まだ人の居住の用に供されたことのないものの取得を含む。)であって、入居者と賃貸借契約を結ぶものに限ります。特例内容等詳しくは、専門家にお問い合わせください。

1.固定資産税

5年間にわたって、税額が2/3軽減されます。

※平成27年4月1日からは税額2/3軽減は、税額2/3を参酌して1/2以上5/6以下の範囲内において市町村の条例で定める割合を減額することとされます(令和5年度税制改正大綱より)。

床面積要件:30m²以上/戸(共用部分含む)

戸数要件:10戸以上

構造要件:主要構造部が耐火構造または準耐火構造であること 等

補助受給要件:国または地方公共団体からサービス付き高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けていること

2.法人税・所得税

5年間にわたって、割増償却40%(耐用年数35年未満については28%)

※ただし、平成27年4月1日~平成28年3月31日までの間に取得等したものの割増償却率は半分

床面積要件:25m²以上/戸(専用部分のみ)

戸数要件:10戸以上

3.不動産取得税

家屋については、課税標準から1,200万円控除/戸
土地については、家屋の床面積の2倍にあたる土地面積相当分の価額等を減額

床面積要件:30m²以上/戸(共用部分含む)

戸数要件:10戸以上

構造要件:主要構造部が耐火構造または準耐火構造であること 等

補助受給要件:国または地方公共団体からサービス付き高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けていること