福岡市は「太平洋戦争」で空襲を受け、都心部のほとんどを焼失するも、戦後、復興を遂げ、九州の中枢都市となった。その中で城南地区は、良質な環境の住宅地として発展、「福岡市動物園」「福岡市植物園」「友泉亭公園」など、住民の憩いの場となる公園・施設も整備された。近年は「福岡高速道路環状線」「福岡市地下鉄七隈線」などの開通による交通利便性の向上もあり、さらに快適に暮らせる街へと進化している。
戦後の城南地区
「南公園」に「福岡市動物園」が開園
正門右手にあった「壁泉園池」付近。写真は開園翌年の撮影。
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1980(昭和55)年、中国広州市と福岡市の友好都市締結1周年を記念して、「広州動物園」からジャイアントパンダ2頭(オスのシャンシャン25歳とメスのパオリン17歳)が友好親善使節として来園、4月・5月の2ヶ月間にわたり一般公開を行ない、その間87万人以上が来園した。
パンダがいた場所は、現在のシマウマ舎がある場所で、「パンダ シャンシャン パオリン 公開記念」の碑が立っている。
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国鉄筑肥線の一部区間の廃止 MAP __
「福豊炭鉱」と「田島炭鉱」
エネルギー源確保のため石炭の生産が急がれた戦後復興期、都市部近郊においても炭鉱開発の試みが行われた。福岡市の城南地区においては、1948(昭和23)年に「福豊炭鉱」が、1951(昭和26)年に「田島炭鉱」が開坑。出炭量は「福豊炭鉱」が年産1~3万トン前後、「田島炭鉱」が年産1万トン前後と小規模であった。航空写真は1956(昭和31)年撮影のもので、左上に「福豊炭鉱」、右下に「田島炭鉱」の設備が見える。1957(昭和32)年頃から炭況が悪化したため、「福豊炭鉱」は1958(昭和33)年に、「田島炭鉱」はその翌年閉山となった。
福岡市地下鉄七隈線の開通 MAP __(橋本駅)
福岡市西南部と都心部を結ぶ福岡市地下鉄七隈線は、2005(平成17)年に「橋本駅」~「天神南駅」間が開業。このうち、「六本松駅」~「渡辺通駅」までの区間は、「城南線」(福岡市道路愛称)の地下を通り、かつての西鉄福岡市内線城南線(路面電車)と同じルートとなっている。七隈線は鉄輪式リニアモーターシステムを採用しており、車両は小型化されトンネルの断面も小さい。線名となった「七隈」は路線の中間付近にある地名で、その由来は、交通の要衝を意味した「七車」か、七つの小高い丘(隈)があったことによるといわれる。