不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報不動産価格・査定・鑑定評価Q&A不動産の価格はどのように決まる?個別的要因に左右されるとは?

不動産価格・査定・鑑定評価Q&A

専門家執筆Q&A
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不動産価格・査定・
鑑定評価Q&A

不動産の価格を形成する要因

不動産鑑定士
有限会社arec
善本 かほり

不動産、特に土地は、目の前に示されている価格がなぜその価格になるのかがわかりにくいと思います。そのような、わかりにくい不動産の価格について、少しでも理解を深めていただけるように解説しています。

本コンテンツの内容は平成27年10月31日現在の法律に基づき作成されております。
不動産の価格や評価についてQ&A方式で解説しています。

不動産の価格はどのように決まる?個別的要因に左右されるとは?

◆道路の条件
◆環境
◆行政の規制
◆建物(住宅)
◆農地
◆山林
◆道路の条件
Q
家の購入を考えています。安い物件があったので不動産業者に確認したところ、「家の前の道が建築基準法上の道路ではない。」と説明を受けました。前の道幅は4.5mとなっていますがどういうことでしょうか?
A

 都市計画区域内で建物を建築する時は、原則として幅員4m以上の道路に2m以上の間口がなければなりません(建築基準法第42条、第43条第1項)。道路上にアスファルト舗装されていても、建築基準法で定める建物を建築することが可能な道路(以下、「建築基準法上の道路」と記載します)に面していない土地には建物を建築することができない場合があるのです。

 したがって、今の建物がある間はその建物に住むことができたとしても、将来建物が古くなった時に建て替えができないかもしれません。また売ってしまおうにも、次の買い手がみつからない可能性があります。このような物件の場合には、担保不適格としてなかなか融資を受けられないこともあり、安くなっているのです。

Q
私の自宅は市役所によると、建築基準法上の道には接面していないとの事です。2m程度の通路には面していて、建築確認も受けているのですが、売却は困難ですか?また、価格は下がりますか?
A

 都市計画区域内で建物を建築するためには、建築基準法上の道路に接面する事が必要です。ただし、要件を満たせば、特定行政庁(都道府県や一部の市)の許可を得た上で建築できる場合があります(建築基準法第43条第1項但し書き)。許可を申請して初めて建築出来るか否かが判明しますので、申請前においては建築基準法上の道路に面する土地と比較して価格は安くなり、売却もやや困難となる場合があります。

 許可権者である特定行政庁によっては、あらかじめ許可が可能な要件を列挙したものを公表していたり、許可を得ることができる空地かどうかの情報を整理していることもあります。ただし、許可が可能な場合でも、建築予定の建物の用途、構造等の制約があるため、建築基準法上の道路に面する土地と比較すれば安価になっています。

Q
道路にまったく面していない土地を所有しています。価格はどのくらいになるのですか?
A

 無道路地は、民法第210条(いわゆる囲繞地通行権)によって周辺の他の土地を通行する権利は守られていますが、単独で建物の敷地として利用することはできません。その土地と公道までの距離等によって価格は変わります。公道に面する土地と比較して半額以下となることもあります。

Q
紹介された物件は「セットバックが必要」となっています。どういうことでしょうか?
A

 建築基準法では道幅が4m以上の道路に面する必要がありますが、4m未満であっても特定行政庁が4mの建築基準法上の道路とみなしていて、その道路に面する土地には建物を建築することができる場合があります。「2項道路」、「みなし道路」と呼ばれる建築基準法第42条第2項に定める道路に面している場合などです。この場合、法律により道路の中心線から2m迄は敷地としての利用ができず、道路として提供しなければなりません。道路の中心線から2mまで敷地を後退することを「セットバック」と呼んでいます。セットバックすべき範囲に塀や門などが設置されていることがありますが、建物を建て替える時には、セットバックすべき範囲内に建物はもちろん、塀や門扉など設置することはできません。したがって、セットバックすべき部分にはほとんど価値はないとして取引されます。

 このため「セットバックが必要」となっている場合には、土地の価額が実際に建物の敷地として使える範囲の面積に対していくらになるかを確認する必要があります。

Q
紹介された物件は「私道負担あり」となっています。どういうことでしょうか?
A

 私道負担があるとなっている土地の場合には、その土地のうち実際に建物の敷地として使える面積が限られる場合がありますので、実際に使える面積がどのくらいあるのかを確認する必要があります。

 敷地面積に対し、建築可能な建物の建築面積、床面積の割合(建ぺい率や容積率)は、国及び地方公共団体が定める都市計画によって決められています。私道が全部自分の所有地であっても、建築基準法上の道路となっている場合には、その私道部分を敷地面積に含めることができませんので、建物の建築面積、床面積も思ったほど広くとれないことがあります。また、建築基準法上の道路が含まれている場合、固定資産税を非課税とすることができますが、非課税とされずに全体が宅地として固定資産税が課税されていることがあります。逆にいうと、全体が宅地として課税されていても、私道部分が建築基準法上の道路であれば、私道部分にはほとんど価値がないことがありますので、物件の価格を検討する際には注意が必要です。

Q
土地が面している道路が公道か私道かで価値が違いますか?
A

 「公道」というのは「私道」に対する用語として一般的に用いられている言葉ですが、正確な定義はないようです。不動産の価値を左右するのは「建築基準法上の道路」か否か、です。市町村が所有する道路であっても、「建築基準法上の道路」ではない場合があります。「建築基準法上の道路」か否かは、市役所、町村役場で調査ができます。

 私道であっても、建築基準法上の道路であれば、市町村道に面している場合と土地の価格差はほとんどない場合もあります。ただし、その土地のための上下水道やガスなどの供給管がその私道に埋設されている場合、埋設管の修理などで私道を掘削しなければならず、私道の所有者から掘削の同意や承諾を得ることが必要な場合があります。私道の所有者の承諾や同意が得られるか否か不明のことがほとんどですので、買い手がつきにくくなり、価値は低くなります。

Q
所有している土地と道路との間に水路が介在しています。水路は水が流れていて蓋はありません。水路が介在していない土地と比較して、価値は下がりますか?
A

 法務局にはいわゆる「公図」という、一定のエリアの土地の配置が記載された図面※7が備え付けてあります(正式な用語としては単に「地図」ですが、普通の地図と区別するために「公図」と呼ばれています)。水路がこの公図に記載の水路(「水」と書かれています)である場合、法定外公共物として市町村が所有しているのが一般的です。所有地と道路とをつなぐための進入路として水路に橋など設置する必要が生じた場合、なぜ橋を設置する必要があるのかなど目的に応じた利用のための最小限の範囲内で、水路を占用使用する許可を市町村から得る必要があります。

 橋等の設置に関しては幅が制約される場合があり、市町村によっては使用料が賦課される場合もあります。したがって、水路が介在していない直接道路に面している土地と比較して価格は安くなるのが一般的です。

※7 測量の上作成された地図以外は、正確な土地の配置を示していない場合もある。
◆環境
Q
自宅の近くに霊園があります。壁が高く、墓石は見えないのですが土地価格に影響しますか?
A

 一般的に墓地は、嫌悪施設として周辺の不動産価格に悪影響を与えます。

 特に住宅地で、墓地が直接見える場合は大きなマイナス要因となります。

 中には気にしないという方もおられますが、例え墓石が直接見えなくても、隣やすぐ近くに墓地があるということに心理的嫌悪感を感じることが一般的ですので、墓地が周りにない土地の価格と比較すると若干低くなりますが、その程度は墓地が直接見える場合と比較して緩和される傾向はあるでしょう。

 ただし、公営墓地の青山霊園に隣接する高級住宅地のように霊園に隣接すること自体を広告に謳っている場合もあります。

Q
自宅の近くに高圧電線の鉄塔があります。土地価格に影響しますか?
A

 高圧線(7,000V以上)が土地上空にある場合は通常、土地の登記の権利部(乙区)に地役権の設定(承役地)登記がされており、地役権の面積も記載されています。また、土地の一部に高圧線のための地役権の登記が設定されている場合には、その範囲を示した図面(地役権図面)が法務局に備え付けられています。

 高圧線下にある土地(線下地)は建物が全く建築できないものや、建物の構造等(主に高さ)が制約を受けるものがあります。したがって、線下地の位置や土地利用が制約される程度に応じて価格は安くなります。

 一方、土地の上空にはないものの、至近に高圧線や鉄塔がある場合には、建物の建築の制約等はありませんが、圧迫感や心理的な嫌悪感を感じることが一般的ですので、何もない土地と比較すると価格は安くなります。

Q
土地について、土壌汚染があるかないかはどのように調査するのでしょうか?また、汚染が発見された場合、どのくらい価値が下がりますか?
A

 結論から言いますと、土壌汚染が発見された場合にどのくらい価値が下がるかについては、対策費用次第です。有害物質の種類や汚染の程度(広さ及び深さ、地下水汚染の有無)と、その土地に汚染がなかったなら使われるであろう使用方法によって対策の方法が異なりますので、費用も異なります。

 調査方法については、費用はかかりますが、専門の業者に依頼することをお勧めします。なぜなら、個人では調査に限界がある上、汚染状況を正確に把握せず、浄化等の対策もせずに売却した後に、買主が深刻な土壌汚染を発見した場合、売主に瑕疵担保責任が問われ、多大な損害賠償を請求される可能性があるからです。ただし、調査費用は、調査の程度(段階)と精度によって変わります。

 第1段階(フェーズ1)の調査は費用は安いのですが、個人でもできる簡単な調査で、精度は低いものです。この段階では、登記を遡って取得したり、過去の住宅地図や航空写真等を確認することにより、過去の土地の利用の状態を推測する程度です。さらに、当該土地上での土壌汚染対策法による、水質汚濁防止法等の有害物質使用特定施設の届出の有無や、土地が存する区域が要措置区域等に入っていないかどうか等の確認が含まれます。

 第2段階(フェーズ2)の調査は、上記フェーズ1で入手した資料上で、土壌汚染の可能性があるとなった場合の次の段階の調査で、表層部の土壌の調査と土壌ガスの採取を行います。フェーズ2以降の調査は費用がかなり高くなりますが、正式には法令上も土壌汚染調査会社が実施することとなっているため、土壌汚染調査会社に調査を依頼することになります。

 第2段階の調査で、有害物質が検出された場合には、第3段階(フェーズ3)の調査を実施することになります。これは、有害物質が検出された部分についてボーリングを実施して土壌を採取し検査を行います。

 土壌汚染があると判定された場合、調査結果が都道府県知事に報告され、土壌汚染のおそれがあると認められると、その土地は、①健康被害が生じるおそれがないので当面同じ利用方法を続ける場合には直ちに汚染土壌の除去等の措置を行う必要はないが、用途を変更するときには届出が必要となる「形質変更時要届出区域」か、②土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがあり、除去や封じ込め対策等が必要な「要措置区域」に指定されます。

 汚染土壌の処理の方法としては、土壌除去、土壌入替、封じ込め、立入制限、盛土、舗装などがありますが、汚染土壌を搬出するには、都道県知事の許可を受けた土壌汚染処理業者に依頼しなければなりません。シアン化合物など、「検出されないこと」とされている有害物質が検出された場合には、処理費用が割高になるなど、どのような汚染物質が検出されるかによって処理費用も異なります。

◆行政の規制
Q
市役所で確認した結果、私の土地の一部が都市計画道路に指定されていました。物件価値は下がりますか?
A

 都市計画道路に指定されている範囲内は、都市計画法第53条及び第54条の規定により、建築可能な建物の高さや構造に制約があります。その物件の価格がどのような影響を受けるかは、都市計画事業の次のような進捗段階によって変わります。

  • ① 行政が都市計画で道路の計画線を定めただけの段階(計画決定段階)
  • ② 都市計画事業として正式に認可された段階(事業認可段階)

1 土地の価格

 ①の場合、法律では原則として2階建以下の鉄骨造や木造などの建物は建築が許可されることになっていますが、計画決定段階のまま長年推移してきた経緯から、自治体によっては、3階建でも容易に移転や除去ができる場合には許可されることもあります。

ⅰ 低層の建物の敷地の場合

 3階建までの木造や鉄骨造などの建物を建てるのが通常だろうと思われる土地の場合には、計画決定段階の都市計画道路の範囲に入っていても、範囲に入っていない土地との価格差はないこともあります。

ⅱ 中層の建物の敷地の場合

 4階建以上の建物の敷地として利用できそうな土地の場合には、都市計画道路の範囲には4階建以上の建物の建築は原則として許可されませんので、都市計画道路の範囲が土地の全般に渡ったり、一部であっても建物の配置に制約が生じたりする場合には、範囲に入っていない土地と比較して価格は低くなります。

 ②の場合、いずれ事業者(都市計画事業を行っている主体)により、都市計画道路の範囲に入っている部分が買収されることになりますが、公共用地となるための買収(これを「補償」といいます)なので、その買収価格は都市計画道路による影響はないものとして算定されます。したがって、ⅱの場合であっても、都市計画道路に入っていない土地との価格差はなくなると言えます。ただし、事業認可段階になってから事業者以外と売買する場合には、売買価格を含めた一定の事項を事業者に届出る必要があります。事業者は、届け出た価格で買い取ることができるとされていますが、あまりにも売買価格が高い等で買い取らないとされた場合には、将来の買収時には、売買価格よりも低い価格での補償しかされない場合があります。

2 建物の価格

 ①の場合、建物の価格は都市計画道路の範囲に入っていても特にマイナスにはなりません。既に4階建以上の建物が建っていて、後から都市計画道路の範囲に入ることになった場合には、その建物は取り壊す迄はそのまま使用できるため、マイナスにはなりません。

 ②の場合も建物の価格は特にマイナスにはなりません。建物の敷地となっていた土地が買収されてしまうと、今まで使用していた建物も同じ状態では存在できなくなってしまうため、事業主体から補償金を支払われることになります。この補償金の額は、まだ使用できる状態の建物の場合には買収前の建物での生活等の維持を保障するために支払われるので、買収前の建物と同等の建物を再建築する前提で算出されます。古い建物の場合でも、新築価格とまではいかないまでも、一般に売りに出す価格よりも高い金額が補償金として支払われることもあります。

◆建物(住宅)
Q
自宅を売却しようと考えております。新築時には内装や設備を豪華にし、建築費も相場より高くかかりました。30年間住み慣れ、それなりの思い入れもあります。相場より高く売れるでしょうか?
A

 建築費も高額、内装や設備も豪華、それにご自宅には長年住んで愛着もある場合、高く売れることを望まれるでしょう。しかし、たまたま需要者が従前の持ち主と同じ趣味趣向であった場合を除き、一般住宅地域であれば、内外装や設備が豪華であっても、そのような内装設備の費用を回収できる程度に高額な買い希望価格を提示する需要者は少ないといえます。一定のエリア毎に取引が成立する土地建物の総額の価格帯(相場感)があり、それを超える価格になると需要者は少なくなります。一方、品等の高い高級住宅地域に存在している場合には、そのような地域で建物を所有しようとする需要者は、自らの趣向を凝らした建物を建築する、または改築・改装を行うことが多いといえます。したがって、前の持ち主の趣向が反映された豪華な建物は、建築後年数が経過していないものでも買い手にはその価値を認めてもらいにくく、安くなってしまうこともあります。

Q
自宅を売るとき、リフォームすると高く売れますか?
A

 リフォームすれば居住環境は従前と比べて通常は良くなりますので、リフォーム前と比較して売り易くなるのが一般的ですが、リフォーム前の建物価格にリフォーム費用を加算した額を上回る価格で売却できるとは限りません。リフォームされた部分は建物と一体となり、結局は周辺の同じ築年数の中古住宅の価格相場等と、その住宅を買おうとする需要者の属性(年齢、家族構成、所得水準など)で価格が決まることになります。

 個人がリフォームする場合の費用は、不動産会社が自社でリフォームする場合や、提携しているリフォーム会社に支払う費用と比較して、どうしても割高になりがちということにも考慮が必要です。

Q
古家付きの物件を所有しております。そのまま保有しても良いですか?売却する場合、解体して売ったほうが良いですか?
A

 古家の状態によりますが、空き家のまま保有すれば、放火や犯罪の温床になるというリスクが有ります。一方で、解体すれば固定資産税の住宅用地の特例(土地(小規模住宅用地:住宅1戸につき200㎡までの部分)に住宅が建っていれば課税標準額は本来の課税標準額の1/6に軽減)措置が無くなり、固定資産税の負担が大きくなります。ただし、荒廃した空き家の撤去を促進するため、「空家等対策の推進に関する特別措置法(平成27年2月26日施行)」に伴い、固定資産税を軽減する措置を見直す税制改正(一定の特定空家等の敷地における減額特例の適用除外)が行われましたので、留意しておく必要があります。

 売却する場合には、古家の状態で改修する費用と解体する費用をそれぞれ検討し、古家付きで売却する場合の価格と更地としての価格から古家解体費を控除した価格とを比較して検討する必要があります。

Q
マンションを購入する予定なのですが、管理費・修繕積立金が近くの同じような分譲マンションよりかなり高額です。月々の事を考えると購入はこれらの費用が安いものがいいのでしょうか?
A

 管理費・修繕積立金はそのマンションの所有者全員から拠出されるもので、マンションの日々の管理や、おおむね10年ごとの大規模修繕等に使われます。分譲時のマンションのグレードによって必要となる費用の額は異なりますが、分譲後の管理の状態の優劣、修繕の多寡によりマンションのグレードが維持されたりされなかったりするため、これらの費用の額は将来のマンション自体の市場価格を大きく左右することになります。

 管理費・修繕積立金の額が周辺のマンションと比較して高額であっても、そのマンションのグレードや設備、総戸数等に照らし合わせて、将来に必要とされる費用の額として適正な額と考えられる場合には、そのマンションにとっては高いとは言えないことになります。逆に、これらの額が周辺の同じようなグレードと総戸数のマンションよりも低いような場合には、分譲当初に購入意欲を誘発するためのものである可能性が高く、将来大規模修繕を行う時期が来た時には、結局修繕積立金不足等により追加で多額の費用を一括で拠出することになったり、大規模修繕等を先延ばしにすることになって資産価値を下げることになることがあるので、要注意です。

 なお、同じグレード、設備のマンションで比較した場合には、総戸数が多いマンションの方が総戸数が少ないマンションよりも各戸の管理費等の額は低くなります。

Q
マンション毎に価格の差が生じるとすれば、どのようなものがあるでしょうか?
A

 建築時期や立地条件が同じなら、次のようなものが挙げられます。

1 物理的なもの

①建物全体の仕様

 構造では、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等の違いがあります。建築費は鉄骨鉄筋コンクリート造が最も高くなる傾向がありますが、構造だけではなく、外装のグレード(大理石貼りか、タイル貼りか、吹付材仕上かなど)にも左右されます。

②耐震基準を満たしているか否か

 昭和56年(1981年)6月以降に建築確認を受けている場合には、原則として耐震基準を満たしています。建設の時期を問わず現実に耐震基準を満たしていないものは、耐震補強工事が実施されたとしても、耐震基準を満たしているものと比較して安くなっていることが多いです。

③共用廊下の配置

 近年のタワーマンションでは、共用廊下が壁に囲まれているものが増えています。雨風が吹き込まないため、外廊下のマンションよりも価値が高いとされています。

④共用設備の状態

 駐車場が機械式か否か、駐車場台数は居住者の車両保有台数とバランスがとれているか、エレベーターが複数あるか否か、オートロック、集会所等の共用ルーム、宅配ボックス、BS共用アンテナ、インターネット設備、ケーブルテレビ設備等の有無で価格に差が生じます。

 最近では、大浴場、ゲストルーム、マシンジムルーム、ラウンジなどを設置しているマンションもあります。

⑤分譲主のネームバリュー

 全国展開している大手と言われる不動産会社や、マンション開発業者が建設したマンションは、小規模な地場の不動産会社やマンション開発業者が建設したマンションよりも人気が高い傾向にあります。

2 管理の状態、サービス

①管理組合の活動状態

 分譲マンションは、通常マンションの所有者全員を組合員とする管理組合を組成しています。この管理組合が機能しているマンションと機能していないマンションでは、物理的なメンテナンスの状態が異なることがあり、結果的に価格に影響を与えます。

②管理の方法

 管理組合が直接自主的に管理しているのか、外部委託しているのかに分けることができます。自主管理であるからといって、必ずしも価格が安くなるとは限りませんが、自主管理のために管理費・修繕積立金の滞納額が発生しても回収できていない、修繕計画等が行われない、あるいは実施されていないなどがある場合は、メンテナンスの状態が悪くなり、価格は安くなります。

 管理組合が外部のマンション管理会社に管理を委託している場合には、マンション管理会社が適切な管理計画を管理組合に提示し、管理計画通りに実践しているか否かによってマンション全体の価値は変わってきます。

 現実には建築後日が浅いマンションについては、外観から管理の状態を判断するのは難しいのですが、管理会社の管理実績と、管理人の配置の状態は、マンション全体の価格に影響を与えています。管理人の配置の状態には、管理人が住み込み(常勤)なのか、毎日通ってきているのか(日勤)、隔日や短時間のみの清掃要員として配置(巡回)されているのかの違いがあります。常勤が最も管理費が高く、日勤、巡回の順に管理費は低くなる傾向があります。

③サービス

 最近では、管理人とは別にホテルのようなコンシェルジュを配置し、マンション内の住民を対象として宅配便やクリーニングの受け渡しなどのサービスを行っているマンションもあります。

 また、家庭から出るゴミを捨てることができる場所が24時間使える、各階にごみ置き場がある、ダストシューターがある、全戸生ゴミディスポーザー付下水処理などがあるマンションもあります。

 これらのサービスは、不動産の価値というよりもそのマンションの管理費によって運営されるサービスの価値と言えますが、マンション価格に影響を与えています。

Q
同じマンション内で広さがほぼ同じなら、価格の差が生じるとしたらどのような要因があるでしょうか?
A

1 仕様のグレード

 タワーマンションなどでは、特定のフロア毎に共用部分の内装に差をつけたり、特定のフロアのみが利用できるエレベーターを設置している場合があります。

2 階層

 1階は、防犯性や外から部屋の中が見える可能性等があることから、それ以上の階と比較して価格は安くなりがちです。ただし、1階でも生け垣などで外から見られることはなく、専用庭があるような場合は2階よりもむしろ高くなる場合もあります。

 高層階に行くにしたがって通常は眺望が良くなりますので、価格が徐々に高くなる傾向がありますが、周辺の建物が高く、日照等が変わらない場合はこの限りではありません。むしろ、地震が発生した時に避難しやすいという理由で、3階などの低層階を選ぶ高齢者も増えてきています。

 なお、タワーマンションの最上階は分譲時の価格が他の階よりも高く設定されていますが、最上階はそのマンションで1階しかないというプレミアムが反映されていると考えられます。

 逆に、旧公団のマンションのように5階建でエレベーターが設置されていない等の場合には、最上階は昇り降りに大変な労力を要することになるため、3階等の中低階層よりも価格が安くなる傾向があります。

3 位置

①エレベーター横

 廊下が壁で囲まれていないマンションの場合には、廊下側に窓が設置されているのが通常です。エレベーターの真横の住戸などは、最も多くの人が通過する可能性があることやエレベーターの作動による不快音等から、他の住戸よりも人気がやや低くなる可能性があります。

②端住戸

 一番端の住戸で廊下側以外の二方に窓やベランダがある場合は、通風が良くなるため、ベランダが一方向の住戸よりも価格は高くなる傾向にあります。

③ベランダの方角

 最も人気が高く価格も高くなるのは、南東の角(南側と東側にベランダまたは窓のような開口部がある)住戸です。同じ角住戸でも、北東や北西の角住戸は、南東角の住戸よりも日照時間が短いため、価格が低くなることがあります。

 ただし、北東側や北西側住戸で広いルーフバルコニーが利用できる場合はその付加価値が認められて、南東角住戸と同程度の価格となることもあります。

Q
バルコニーがかなり広い区分所有マンションを所有しております。バルコニーの広さは売却の際に価格に反映してもらえますか?
A

 そのバルコニーに、占用使用料の負担があり、相応の使用料を管理組合に支払っている場合には、その使用料の額が高いか安いかもマンション自体の価格に反映されることがあります。すなわち、バルコニーの広さとその使用料の双方が価格に反映されるため、バルコニーが広いというだけで価格にプラスとなるとは限らない場合がありますので、注意が必要です。

Q
マンションを購入したのですが、隣の家の騒音がひどく売却して引っ越そうと考えています。通常の値段で売却可能でしょうか?
A

 隣の家の騒音は買主、不動産のプロである不動産仲介業者にとっても知りにくい情報です。後日トラブルにならないように、事前に説明して売却することをお勧めします。なお、騒音問題は受け取り方の個人差が大きくその程度によって価格への影響の程度は異なります。

◆農地
Q
相続財産の中に、農地がありました。私は農業を営まないので売却したいと思いますが、価格はどのくらいになるのですか?
A

 その農地がある場所が、都市計画区域の①市街化区域であるか②市街化調整区域であるかによって売却手続き、価格が大きく変わります。

 市街化区域か市街化調整区域かは、その農地がある市町村役場で調べることができます。

①市街化区域内の農地

 売却の手続きとしては、まず始めに農地法の許可が必要です(農地の場所と買主の住所が同じか否かで許可権者が変わります)。

 農地を農地のまま売買するのみなら第3条の許可が、宅地にする(転用)ために売買するのであれば第5条の届出が必要です。

 一般的には下記の市街化調整区域内農地と比較して、これらの許可は容易ですので、例えば建築基準法上の道路に面する農地などは、宅地並の価格になる場合があります。

②市街化調整区域内の農地

 売却の手続きとしては、上記の市街化区域内の場合と同じく農地法の許可の取得が必要となりますが、原則として買主が農業従事者等である必要があります。

 転用することも厳しく制限されるため、上記の市街化区域内農地と比較すると、価格はかなり低くなり、宅地価格の数分の1程度になる場合もあります。

 地価公示標準地等の公的な価格は公表されておらず、かつ、買い手が制約されていることや、実際の売買の結果も公になるものが少ないことから、取引相場の把握は難しくなっています。売買価格はその土地の固定資産評価額が一つの目安となっているのが現状です。

◆山林
Q
相続財産として山林を所有しています。価格はどのくらいになるのですか?
A

 宅地開発が可能な山林以外の場合に価値を有するのは、檜、杉等の用材林が植林されている林地(用材林地)です。用材林地は土地そのものの価値というより、その土地にある檜や杉などの立木の価値ではかられるため、その立木の樹種、林齢、品等、直径などによって市場価値の良否が決められ、取引価格が決定されています。

 なお、法令上も物理的にも宅地開発が可能な山林の場合には、宅地開発を行って採算が合うと判断した不動産会社が買い手となることがあり、その場合の価格は、造成前宅地の価格となります。造成前宅地の価格とは、樹木の伐採や整地、道路整備など、宅地に造成する費用や造成期間を考慮する分、整地されて即建物の敷地にできるような土地の価格よりも安くはなりますが、上記用材林地の価格よりは通常高くなります。

Q
今住んでいる家の土地の登記をみると地目が「山林」となっていました。周辺には同じような住宅も沢山あります。都道府県地価調査で林地の価格を見ると非常に安いのですが、そんなに安いのでしょうか?
A

 山林と言っても、登記上の地目が「山林」となっているだけで、一定程度整地されて周辺に住宅が建ち並んでいるような場合には、通常の宅地の価格で取引されますので、周辺の住宅地の価格が参考になります。

Q
相続財産を整理していたところ、土地の登記簿謄本と地積測量図と一緒にその土地の所在が書かれた別荘地の分譲パンフレットが見つかりました。早速地図で調べてみましたが、大きな地域の地名まではわかりますが、はっきりとした場所は判りません。このような別荘地でも売ることはできるでしょうか?
A

 法務局にその土地や周辺の土地の地積測量図が備え付けてあり、一見区画が整っているように思えても、ウェブサイト等の航空写真でその所在地付近を確認してもどこにも建物の影が無いような場合、その土地はバブル期に行われた、いわゆる「原野商法」で販売された土地の可能性があります。行政上の規制などにより、そもそも建物を建てることができないものも多く、その場所に未だ電気や水道が整備されていない場合があります。調査の結果そのような土地の場合には、残念ながら別荘地としての価値はなく、売却も困難です。

Q
相続財産に保安林がありました。普通の山林と何か違うのでしょうか?
A

 保安林は通常の山林と異なり土砂崩れを防ぐ等の役割があるとして指定されているため、宅地等他の用途への変更ができません。したがって、市場価値はほぼ無いに等しく、売却も困難です。

 保安林の目的は「水源かん養」のためや、「土砂流出防備」のためなどがありますが、後者のみの場合は保安林が解除される可能性も若干ありますが、「水源かん養」を目的とする指定はかなり厳しい規制になりますので、公益性が認められる事業以外は解除の可能性はほとんどありません。