明治初期の『迅速測図』と比較すると、「大山道」は一部に築堤や切り通しなどの改良が見られるが、土地利用には大きな違いはなく、全体としては江戸時代からあまり変わっていないと思われる。水田・山林のほか、桑畑の地図記号も見られ、養蚕も行われていたことが窺える。現在大きな発展を遂げている「青葉台駅」前に当たる場所は、細い谷戸に水田、ほかは山林となっており、家屋は一軒も描かれていない。
旧版地形図に見る「多摩田園都市」青葉台エリアの開発
のちに「青葉台駅」周辺となる地域の明治後期の様子
東急田園都市線延長開業の頃の「青葉台駅」周辺
東急田園都市線が延長開業になったほか、「国道246号」の改良、「桜台団地」の完成、各地区の土地区画整理事業の進捗などがわかる。「東名高速道路」は建設が進められており、1968(昭和43)年に開通となる。「青葉台駅」周辺はこの時点では大きな建物はないが、1967(昭和42)年に「青葉台プラーザビル」と「田園青葉台団地」が竣工。「青葉台プラーザビル」1階部分には「多摩田園都市」最初の本格的な商業施設「青葉台ショッピングセンター」が開業となる。
廣田新聞店 | 詳細はこちら |
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恩田第一地区 | 「多摩田園都市」で2番目の開発地域 詳細はこちら |
再勝橋 | 区画整理道路、国道、鉄道の3層立体 1964(昭和39)年完成 |
国道246号 | この区間の改良工事は1964(昭和39)年開通 詳細はこちら |
桜台団地 | 「神奈川県住宅供給公社」による団地 1966(昭和41)年竣工 |
東急田園都市線 | 1966(昭和41)年延長開業 詳細はこちら |
東急青葉台サービスセンター | 1966(昭和41)年設置 分譲地の販売、アフタサービス、開発の相談などが行われた |
青葉台プラーザビル | 1967(昭和42)年竣工 詳細はこちら |
田園青葉台団地 | 「日本住宅公団」(現「UR都市機構」)による団地 1967(昭和42)年竣工 |
東名高速道路(建設中) | 1968(昭和43)年開通 |
市ヶ尾プラーザビル | 1969(昭和44)年竣工 詳細はこちら |
桜台コートビレジ | 1970(昭和45)年竣工 詳細はこちら |
1967(昭和42)年に撮影された「青葉台駅」付近の航空写真
工事が進められている「青葉台プラーザビル」(中央の3棟)と「田園青葉台団地」(右上)はこの年に完成している。左下の赤い屋根の建物は1966(昭和41)年に設置された「東急青葉台サービスセンター」で、分譲地の販売、アフタサービス、開発の相談などが行われた。
21世紀を迎えた頃の「青葉台駅」周辺
東急田園都市線延長開業時と比較すると駅周辺で土地区画整理の進行と住宅地の発展が著しい。一方、「鶴見川」沿いでは、現在もかつてと変わらず畑作などの農業が行われている。「鶴見川」の河川改修が行われたこともわかる。「横浜上麻生道路」のバイパスが開通、「横浜市青葉区役所」もできている。「東名高速道路」には「横浜青葉IC」が1998(平成10)年に開設された。地形図にはまだ描かれていないが、2020(令和2)年には「首都高速神奈川7号横浜北西線」の開通、「横浜青葉出入口」「横浜青葉JCT」の開設もあり、横浜市中心部方面へのアクセスも便利になった。
もえぎ野公園 | 1990(平成2)年開園 |
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もえぎ野池 | かつての「上谷本池」 現在は公園内にある |
横浜市青葉区役所 | 青葉区は1994(平成6)年に誕生 翌年現庁舎に区役所が移転 |
横浜青葉IC | 「東名高速道路」に1998(平成10)年開設 |
青葉台東急スクエア | 駅周辺の東急グループの商業施設を再構築し2000(平成12)年オープン 「South-1 本館」の前身は「東急青葉台サービスセンター」跡地に1993(平成5)年オープンした「青葉台東急百貨店 本館」 |