「多摩田園都市」は、歩車道完全分離（ラドバーン方式）や行き止まり道路（クルドサック方式）の導入、大型商業施設の設置、駅前広場とモニュメントの整備、道路や街の緑化など、より美しく、より暮らしやすい住宅地として進化を続けてきた。
「元石川第一地区」（現・青葉区美しが丘）では1963（昭和38）年から1969（昭和44）年まで土地区画整理事業が行われた。歩車道完全分離（ラドバーン方式）が採り入れられ、歩行者専用道路と広い車道との交点にはコンクリートのアーチ橋が設けられたほか、一部街区には自動車の通り抜けができない行き止まり道路（クルドサック方式）が設けられるなど、自動車の利便性を確保しつつ、良好な住環境を維持するための新しい試みが行われた。【画像は1967（昭和42）年頃】
「たまプラーザ団地」の北西端付近から北東方面を望む。中央が「美しが丘中部自治会館交差点」。1972（昭和47）年には国内初となる住民発意による建築協定が導入された地区でもあり、住民の高い意識により良好な居住環境が維持されてきた。アーチ橋の左手前にあった「東光ストア 元石川店」は、現在一戸建て住宅となっている。
1967（昭和42）年、「青葉台駅」前の「青葉台プラーザビル」一階部分に「多摩田園都市」最初の本格的な商業施設「青葉台ショッピングセンター」が開業。A棟には日用雑貨などの「東光ホームマート」、B棟にはスーパーマーケットの「東光フードマート」、C棟には「三井銀行 青葉台支店」などが入居していた。【画像は1967（昭和42）年頃】
現在は「青葉台東急スクエア」の一部で、かつてのA棟が「North-2」、B棟が「North-3」、C棟が「North-4」となっている。
「たまプラーザ団地」は「日本住宅公団」（現「UR都市機構」）により建設され1968（昭和43）年に完成・入居となった、総戸数1,254戸の大規模団地。画像は完成前の様子。【画像は1967（昭和42）年頃】
手前の空地には1969（昭和44）年に「美しが丘公園」が開園。現在は緑が生い茂っているが、合間に「たまプラーザ団地」の建物が見える。
1974（昭和49）年頃の東急田園都市線「藤が丘駅」前の風景。1966（昭和41）年の田園都市線の延長開業から8年ほど経過しているが、駅前には空地も目立つ。奥に見える高架の道路は「国道246号」。【画像は1974（昭和49）年頃】
現在はビルが林立するほか、街路樹も増え、緑豊かな駅前となった。駅前のモニュメントは駅の開業記念で設置されたもの。かつては池の中にあり、噴水となっていた。
1972（昭和47）年4月、青葉台、たまプラーザ、鷺沼での3か所で、「東急電鉄」による最初の「苗木プレゼント」が行われた。同年11月には「グリーニング運動」の名のもとに行われ、以降毎年2回実施されるようになった。写真は1972（昭和47）年11月、「東急青葉台サービスセンター」における「苗木プレゼント」の様子。2006（平成18）年以降は東急の他の沿線にも拡大、毎年1回実施され、2011（平成23）年の第72回まで、約22万3千本もの苗木の配布が行われた。
2012（平成24）年からは東急沿線で「みどり」をきっかけとしたまちづくり・コミュニティーづくりに取り組む団体を支援する「『みど＊リンク』アクション」としてリニューアルされている。【画像は1972（昭和47）年】
「東急青葉台サービスセンター」の跡地には、1993（平成5）年に「青葉台東急百貨店」が開業、建物の5階には「横浜市青葉区民文化センター フィリアホール」も開設された。2000（平成12）年、「青葉台駅」周辺の「東急」の商業施設が「青葉台東急スクエア」としてリニューアルされた際、その「South-1 本館」となった。
「たまプラーザ東急SC」は、「多摩田園都市」住民の特性を踏まえ、「スポーティ、カジュアルを全面に出し、グレードの高い都会的センスのあるSC」をコンセプトに、「たまプラーザ東急百貨店」（現「東急百貨店 たまプラーザ店」）を核店舗とし、70店の専門店が誘致され、1982（昭和57）年に開業した。2009（平成21）年に「たまプラーザ テラス ノースプラザ」としてリニューアルオープンしている。【画像は1982（昭和57）年】
「たまプラーザ テラス」は2005（平成17）年から行われた「たまプラーザ駅周辺開発計画」によって、2007（平成19）年の「サウスプラザ」開業から始まり、2010（平成22）年にグランドオープンを迎えた大型商業施設。「ライフスタイル・コミュニティ・センター」をコンセプトとしている。
