

家づくりの「心」を「かたち」に、具体例を交え心の家づくりを解説した一級建築士のアドバイスです。
高度地区で家を建てる
建ぺい率や容積率と同じくらい大切な基準です
「高度地区」と聞いておそらく一般の人はビルなどの高い建築物の規制をイメージされるかもしれません。小規模な住宅に対してはあまり関係がないように思われるでしょう。
しかし住宅を建築する際、建ぺい率や容積率はとても重要な項目ですが、高度地区という基準もとても大切なチェック項目です。もし土地探しで気に入った土地があり、その土地が高度地区(1種または2種)と不動産情報に書かれているなら、希望する広さが確保できるのかをあらかじめ検討しておく必要があります。
しっかり理解した上で土地探しやプランニングを進めるようにしましょう。
高度地区とは
都市計画法に基づく地域地区の一種で、建物の高さに制限が設けられている地区です。
建物の高さに関する制限はいくつかあり、高度地区はそのうちの一つです。他には「絶対高さ制限」「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」「日影規制」そして「高度地区」の6つになります。
・指定される目的
高度地区は都市計画法によって「用途地域内において市街地の環境を維持し、または土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度、または最低限度を定める地区とする」と規定されています。
制限内容は自治体によって違いがありますが、多くの場合は高さ制限に加えて北側に斜線制限が設けられています。
・最低限度高度地区と最高限度高度地区とは
最低限度高度地区とは商業地やオフィス街などにおいて、その土地の有効利用を図るために一定の高さに満たない建築物を建ててはいけない地区のことです。
一方で、最高限度高度地区は一定の高さ以上の建築物を建ててはいけないという地区で、そのエリアの住環境を良好に保つ目的で定められています。住宅を建てる場合には最高限度高度地区に注意が必要です。
高度地区には種類があります
高度地区は自治体によって第1種、第2種、第3種と規制内容のレベルに応じて区分が定められています。なかでも第1種の高度地区はもっとも厳しく、仮にこの区分で住宅を建てる場合は十分な検討をしておくことです。ここではそれぞれの区分を解説していきます。
・第1種高度地区について
第1種高度地区は隣地境界線上で地盤面から5mの位置を基準とし、真北方向から高さ0.6:1の勾配が設定されています。この斜線内に建物をおさめなければなりません。
・第2種高度地区について
隣地境界線の上で地盤面から5mの位置を基準とし、真北方向から高さ1.25:1の勾配が設定されています。また水平距離が8mを超える範囲においては真北方向から高さ0.6:1の勾配が設定されます。
・第3種高度地区について
隣地境界線の上で地盤面から10mの位置を基準とし、真北方向から高さ1.25:1の勾配が設定されています。 また8mを超える範囲においては真北方向から高さ0.6:1の勾配が設定されます。
狭小地の場合、ペントハウスなど高さを活用して3階建ての家にするケースもあります。
高さ制限が設けられた狭小地では設計力が求められます。設計力のある建築家を選ぶことをおすすめします。
高度地区で家を建てる際、注意することは
一般的な住宅を建築する際に第2種、第3種の規制はそれほど懸念する必要はありません。
しかし、第1種高度地区の指定がある場合は建築条件が厳しくなってくるので注意して下さい。特に土地を購入する際は、仮に第1種の高度地区であれば事前に規制内容を不動産会社等から説明を受け、自分達が求めている家づくりに問題がないかをチェックして下さい。
第1種高度地区の制限を受けた実例。この住宅はギリギリまで天井を上げ、トップライトを設けて開放感を演出した。
希望する土地が2つ以上の地区にまたがっている
敷地の用途地域が混在する(混在することにより高度地区も一方は第1種高度地区、もう一方は第2種高度地区となる)場合があります。その場合はその範囲ごとに高度地区が適用されます。
建築上の工夫が必要になる可能性があるので、設計者に相談してから購入を考えて下さい。
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佐川 旭Akira Sagawa一級建築士
株式会社 佐川旭建築研究所 http://www.ie-o-tateru.com/
「時がつくるデザイン」を基本に据え、「つたえる」「つなぐ」をテーマに個人住宅や公共建築等の設計を手がける。また、講演や執筆などでも活躍中。著書に『間取りの教科書』(PHP研究所)他。






