上図は現在の東灘区の一部にあたる御影町・住吉村・魚崎町の1921(大正10)年の地図に、当時の主な施設などを示したもの。西に「石屋川」、東に「住吉川」が流れ、東明・石屋・御影・郡家・住吉・魚崎・横屋の地区が並ぶ。この年までに、東海道本線「住吉駅」、阪神電気鉄道には「石屋川駅」「御影駅」「住吉駅」「魚崎駅」の4駅が、阪神急行電鉄神戸線には「御影駅」が置かれていた。「阪神国道」は予定線として描かれている。
また、地図の中で目立つのは、学校などの用地で、「御影師範学校」「御影小学校」のほか、地図東側の「住吉川」沿い、北反高林に「甲南幼稚園・小学校」がある。阪急の「御影駅」の南東、「千本通」の北側に「弓弦羽神社」があり、その東側に「村山龍平邸」の敷地が広がっている。
「住吉川」西側に続く堤上・観音林・北反高林・南反高林には「野村元五郎邸」「住友本邸」など、この地に移住した実業家・資産家の邸宅が存在していた。