「東京中央郵便局」は1871(明治4)年、日本橋に開設された「四日市郵便役所」を前身とする。その後、数度の改称・改組を経て、1910(明治43)年に「東京中央郵便局」となった。「東京駅」の建設に合わせて、郵便物の搬送に便利な駅前に「東京中央郵便局」の新局舎が建設されることになり、1914(大正3)年に着工、1917(大正6)年に完成、移転となった。この局舎は、1922(大正11)年に火災のため焼失、再建計画中に「関東大震災」が発生したため計画の見直しが行われ1927(昭和2)年着工、1931(昭和6)年に新局舎が竣工、1933(昭和8)年に開局となった。建設当時、この新局舎の機能や構造は世界最高水準といわれ、装飾が省かれたデザインは、当時の建築美を追求したものであった。
明治期より官庁も多かった丸の内・大手町には、「東京駅」の開業以降、「逓信省」「鉄道省」の庁舎も立地するようになり、関連施設も多く誕生した。また、昭和初期には丸の内の一流企業を相手として、日本初の立体駐車場も誕生した。