長谷にある「高徳院」の大仏(阿弥陀如来坐像)は、像高約11.3m、重量約121tの銅造。1252(建長4)年に僧の浄光の勧進により、造立が開始されたとされるが、詳細は不明。当初は金箔に覆われ大仏殿に安置されていたが、天災により倒壊したといわれている。露坐となり荒廃が進んだが、江戸中期に祐天上人が修復し、浄土宗の寺院「高徳院」として復興した。【画像は明治後期】
宗教政策により支配の強化を目指した「鎌倉幕府」の統治下では、さまざまな社寺の再建や建立が進められた。江戸時代に「観音巡礼」や「大山詣」が流行すると、これらの社寺に多くの参拝客が訪れるようになり、『鎌倉名所記』などの案内書や紀行文も出版され、庶民の遊山(以下、観光と表記)が一層活発になっていった。