八王子市は「太平洋戦争」末期、1945(昭和20)年8月2日未明の約2時間にわたり大空襲を受けた(「八王子大空襲」)。合計1,600トン(「東京大空襲」とほぼ同量)の焼夷弾が投下され、市街地の約80%が焦土となった。写真は同年9月、現在の「スカイホテル」付近からの撮影で、広い通りが「甲州街道」。点在する蔵やコンクリート造りの建物以外はほぼ焼失している。いくつか置かれている円筒状のものはコンクリート製の家庭用防火水槽で、空襲に備え設置されていた。
写真左の煙突は江戸時代創業の老舗和菓子店「元木屋」(現在は閉店)のもの。煙突の下部やこのあたりの蔵は2020(令和2)年頃まで残っていたが、現在は解体されている。写真右端の焼けずに残った建物は「三菱銀行 八王子支店」。「関東大震災」からの復興で1924(大正13)年に「川崎銀行 八王子支店」として竣工した銀行建築で、「川崎第百銀行」「第百銀行」を経て1943(昭和18)年に戦時統制で「三菱銀行」となっていた。戦後1954(昭和29)年に道路拡幅のため建て直され、近年は「三菱UFJ銀行 八王子中央支店」として営業を続けていたが、2023(令和5)年に店舗統合に伴い閉店、その後解体となった。「三菱銀行」の奥、「甲州街道」沿いの焼け残りは「八王子織物同業組合」の事務所だった建物。
MAP __【画像は1945(昭和20)年】


