角筈村(現・西新宿)の地名「十二社(じゅうにそう)」は「熊野神社」に由来する。「熊野神社」は室町時代の1403(応永10)年、「中野長者」と呼ばれた鈴木九郎が、故郷・紀州の「熊野三山」の「十二所権現」を祀ったことに始まるといわれる。江戸期には「熊野十二所権現社」と呼ばれ、1606(慶長11)年には境内西側に隣接する場所に農業用のため池が作られた。江戸中期以降、この池は「十二社池(じゅうにそうのいけ)」と呼ばれ、多くの茶屋も立地する江戸西郊の景勝地として賑わい、歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれた。
MAP __(十二社熊野神社)
「淀橋浄水場」跡地は副都心として開発され、「京王プラザホテル」の竣工を皮切りに高層ビル群が建設、都内有数の摩天楼が誕生した。