1926(大正15)年、新宿で最初の本格的百貨店となる「ほてい屋」が新宿三丁目に開業した。前身の「布袋屋呉服店」は、古くからの商業地・四谷の繁盛店であったが、震災以降、「新宿駅」周辺の著しい発展を受け新宿に進出してきた。その後、競合する百貨店が新宿に進出すると、安売り商法が裏目に出て業績は悪化。1935(昭和10)年には、隣接して建てられた「伊勢丹」に買収され閉店となった。「ほてい屋」の建物は「伊勢丹」に一体化される形で現存している。
昭和初期、日本一の乗降客数となった「新宿駅」。周辺には多くの百貨店が進出、映画館も相次ぎ開館するなど、浅草や銀座に匹敵するショッピング・アミューズメントタウンが形作られた。