このまちアーカイブス INDEX

戦後の麹町

戦後の1947(昭和22)年、麹町区は神田区と統合となり、区名は区の中心部に位置する旧「江戸城」の別名「千代田城」に由来する、千代田区となった。1955(昭和30)年、新しい区役所は旧・麹町区と旧・神田区の境界付近となる九段下に置かれた。ここでは、旧・麹町区北西部、番町・飯田橋周辺に戦後に誕生した特徴的な施設や街並みを紹介している。


「飯田橋駅」周辺の露店の整理による共同店舗 MAP __

戦後、東京の街の大通り沿いなどには露店が多く建ち並んだ。「飯田橋駅」の東口および西口付近にも露店が多く出店し、復興期の住民の生活を支える存在となった。しかし、「GHQ」の指示により、1950(昭和25)年から翌年にかけて東京の街から露店が整理されることになり、「飯田橋駅」周辺の露店の移転先として、駅前の「神田川」沿いに共同店舗が建設された(露店の共同店舗の建設までの経緯はこちら)。写真は共同店舗建設当時、1952(昭和27)年頃の撮影。【画像は1952(昭和27)年頃】

この建物は現在は「千代田ビル街飲食街」となっており、周辺で働く人で賑わっている。近年まで、建設当時から入店するお店も営業していた。

二番町の「日本テレビ」 MAP __

「日本テレビ放送網株式会社」(以下「日本テレビ」)は、1953(昭和28)年、日本初となるテレビの民間放送を開始。本社・スタジオや「テレビ塔」と呼ばれた送信所は、二番町に設けられた。「テレビ塔」は高さ154mで、高さ74mと55mの部分に無料の展望台が設けられ、スタジオ見学と併せ、観光名所となった(1966(昭和41)年に展望台の公開は終了)。その後、1970(昭和45)年に送信所は「東京タワー」を利用することになり、「テレビ塔」は中継のために使用されるようになったが、1980(昭和55)年にその機能も廃止、解体された。【画像は1959(昭和34)年頃】

「日本テレビ」の本社・スタジオは2004(平成16)年に汐留の「日本テレビタワー」へ移転したが、旧本社は「日テレ麹町ビル」と呼ばれるようになり、スタジオや制作部門の一部などとして引き続き使用された。2018(平成30)年、「日テレ麹町ビル」の東側に「番町スタジオ」が竣工。その後、「日テレ麹町ビル」は解体され、跡地では再開発が計画されている。

九段南に建設された「千代田区役所」の庁舎

千代田区は、1947(昭和22)年、麹町区と神田区の統合により発足した。「千代田」は、「江戸城」の別名「千代田城」に由来している。発足にあたって、当面は旧「神田区役所」を「千代田区役所」とすることになったが、将来は千代田区の中央、九段下付近に置くことが申し合わされた。千代田区誕生から8年後の1955(昭和30)年、九段南一丁目の「牛ヶ淵」(「内濠」の一部)の濠端に「千代田区役所」の新庁舎が開設された。写真は1960(昭和35)年頃の「千代田区役所」。【画像は1960(昭和35)年頃】

「千代田区役所」は老朽化などにより、2007(平成19)年に「内堀通り」を挟んで斜め向かいに建設された現庁舎(写真右端のビル、国の「九段第3合同庁舎」との合築)へ移転した。旧庁舎は、しばらく利用されたのち、2012(平成24)年から翌年にかけて解体、跡地には「千代田区立高齢者総合サポートセンター」と「九段坂病院」の共同施設(写真左のビル)が2015(平成27)年に開業した。中央の白いビルは1967(昭和42)年に竣工した「千代田会館」。2006(平成18)年までは「千代田区公会堂」も入居していた。
MAP __(現在の千代田区役所)
MAP __(九段坂病院)

「東京大神宮」前の街並み MAP __

日比谷にあった「日比谷大神宮」は、1923(大正12)年に「関東大震災」で社殿を焼失。1928(昭和3)年に飯田橋へ移転し「飯田橋大神宮」となり、戦後に「東京大神宮」へ改称した。明治期の「日比谷大神宮」時代に神前結婚式を創始しており、近年では縁結びに御利益のある神社としても知られている。写真は1960(昭和35)年頃の「東京大神宮」前の街並み。【画像は1960(昭和35)年頃】

現在の「東京大神宮」前の街並み。道幅は1960(昭和35)年頃と変わっていない。

「1964年東京オリンピック」の柔道競技会場として建設された「日本武道館」 MAP __

1961(昭和36)年、柔道が「1964年東京オリンピック」の正式種目に決定、その会場として、世界に誇ることができる武道の大殿堂「日本武道館」を東京に建設することとなり、開催直前の1964(昭和39)年9月に竣工、翌年開館した。「法隆寺 夢殿」をモデルにした八角形のデザインの建物で、設計は山田守。写真は「1964年東京オリンピック」開催当時の「日本武道館」。1966(昭和41)年に「ザ・ビートルズ」のコンサートが行われて以降、ミュージシャンの聖地ともなった。【画像は1964(昭和39)年】

写真は現在の「日本武道館」。柔道を始めとする武道の競技、稽古に使用されるほか、コンサート、格闘技、大学の入学式・卒業式などにも利用されている。2021(令和3)年に開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」では柔道(オリンピック・パラリンピック)および空手(オリンピックのみ)の競技会場となった。



MAP

この地図を大きく表示



トップへ戻る