図は『京成電車 沿線案内』のうち、京成本線「大神宮下駅」から「京成臼井駅」までの区間を切り出したもの。「京成津田沼駅」から右下へ延びる路線は京成千葉線。
千葉県の湾岸リゾートの先駆けとなった「谷津遊園」
1925（大正14）年、「京成電軌」は塩田の跡地を買い取り、「京成遊園地」（のちに「谷津遊園」へ改称）を開いた。写真は開園当初の頃の様子で、この当時は海水浴・潮干狩り場、プール、釣り堀などがあった。戦後も東京近郊の遊園地として人気があったが、母体である「京成電鉄」の「東京ディズニーランド」への経営参画計画もあり、1982（昭和57）年に閉園した。園内にあったバラ園は1988（昭和63）年に習志野市が運営する「谷津バラ園」となった。
戦後、船橋から谷津にかけての湾岸沿いには、「船橋ヘルスセンター」、競馬場、オートレース場なども開業し、一帯は子どもから大人まで楽しめる行楽地となった。現在は「ららぽーと」「イケア」をはじめとする大型商業施設や、大型団地、公園などが立地している。
開園当初の頃の「谷津遊園」。
現在「八幡公園」には「騎兵旅団司令部」の門が残されている。
「京成大久保駅」は、1926（大正15）年に「京成電軌」の延伸に伴い「大久保駅」として開設され、1931（昭和6）年に現駅名へ改称された。大久保は、「東金御成街道」沿いに発展した集落で、1901（明治34）年に陸軍の「騎兵連隊」が設置されたことから『騎兵の町』として栄えた。駅から「騎兵連隊」へと続く通り沿いには商業地が形成され、現在は「学園おおくぼ商店街」として親しまれている。戦後、「騎兵連隊」の跡地は複数の学校のキャンパスとなり、大久保の地域は『騎兵の町』から『学びの町』へと変わった。