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住宅取得等資金の贈与の特例
(2)特例の要件
この特例を受けるには、次のそれぞれに定める要件を満たさなければなりません。
① 受贈者(贈与を受ける人)
贈与年の1月1日において18歳以上かつ贈与年の合計所得金額が2,000万円以下の人
※平成21年分から令和5年までの贈与でこの制度を利用していないこと。
② 贈与者(贈与する人)
受贈者の直系尊属(父母または祖父母)
③ 贈与する財産
現金(居住用不動産そのものの贈与、住宅取得後に贈与を受けた金銭は対象外)
④ 贈与された現金の使途
すべて住宅(敷地を含む)本体の対価に充てられなければならず、仲介手数料・登記費用等の諸経費には充てられません。
⑤ 取得する住宅
イ)建物の登記床面積が50㎡以上240㎡以下であること
受贈者の合計所得金額が1,000万円以下の場合には下限が40㎡に緩和されています。
ロ)店舗併用住宅の場合1/2以上が住宅であること
ハ)中古住宅の場合は登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降であること
それ以前に建築されている場合でも、下記の場合は適用可能です。
㋑ 新耐震基準に適合していることについて証明されたもの
㋺ 既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のもの
㋩ 新耐震基準に適合しないものでも、取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、居住の日までに耐震改修工事を完了している等の要件を満たす住宅
⑥ 増改築する住宅
対象となる増改築等は、増築・改築・一定の修繕・一定の模様替えに係る工事で、次の要件を満たすものをいいます。
イ)登記床面積が40㎡以上の家屋に対する増改築
ロ)工事費用が100万円以上であること。なお居住用部分の工事費用が、全体の工事費用の1/2以上であること。
ハ)店舗併用住宅の場合1/2以上が住宅であること
⑦ 住宅の取得期限、居住期限
イ)取得期限
贈与年の翌年3月15日までに物件の引渡しを受けること
ロ)居住期限
贈与年の翌年3月15日までに居住しているか、同年12月31日までに居住することが確実であると見込まれること
⑧ 他の特例との併用
この特例は、「贈与税の基礎控除(110万円)」や「相続時精算課税制度(2,500万円)」とそれぞれ重複適用が可能です。
⑨ 贈与税の期限内申告が必要となります
⑩ その他
不動産の売買や新築等の請負工事の契約先が下記特殊関係者の場合には適用が受けられません。
イ)その受贈者の配偶者及び直系血族
ロ)その受贈者の親族(イを除く。以下同じ)で、その受贈者と生計を一にしているもの及びその受贈者の親族でその家屋の譲渡がされた後その受贈者とその家屋に居住するもの
ハ)その受贈者とまだ婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその者の親族でその者と生計を一にするもの
ニ)イ~ハに掲げる者及びその受贈者の使用人以外の者でその受贈者から受ける金銭などにより生計を維持しているもの及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの