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遊覧バスの案内図に見る上野・浅草


『東京観光自動車遊覧案内図』の一部

江戸期の日本において旅行は厳しく制限されていたが、明治期に入ると日本人の国内旅行が自由になり、明治中期以降は外国人の日本国内の旅行も自由に。鉄道網も発達し、帝都・東京にも多くの観光客が訪れるようになった。大正期になると公共交通として乗合バスが普及し始め、1925(大正14)年、日本初の遊覧バス(定期観光バス)「東京遊覧乗合自動車」(現「はとバス」)が営業を開始した。

地図は1937(昭和12)年に発行された『東京観光自動車遊覧案内図』の一部。「東京観光自動車」は、1935(昭和10)年設立の「富士団体貸切自動車」が、翌年「東京横浜電鉄」(現「東急」)の傘下に入り改称となった会社。戦後に設立される「国際興業バス」の前身の一つとなっている。

「東京観光自動車」の遊覧バスの始発は「上野駅前」の「上野営業所」で、上野・浅草をはじめ、市内に点在する観光地を回った。地図には遊覧バスの通るルートが赤い線で示されており、当時は「上野公園」の中心部まで乗り入れていたこともわかる。

地図内には、上野に「上野公園」「動物園」「東照宮」「帝国博物館(現「東京国立博物館」)」「美術館(現「東京都美術館」)」「科学博物館」「不忍池」「松坂屋」、浅草に「浅草公園」「浅草観音(浅草寺)」「浅草松屋」などが記載されており、これらは現在に至るまで、著名な観光スポットとなっている。【画像は昭和前期】



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