1910(明治43)年、箕面有馬電気軌道(現・阪急電鉄宝塚本線・箕面線)の開通と合わせて小林一三氏が開発した「池田室町住宅地」。日本で初めて電鉄会社により開発された分譲型の「郊外住宅地」であり、大阪の都心から電車で20分ほどの「池田駅」の西側に誕生した。約270戸が月賦で販売され、ターゲットは中流層に置かれていた。購買部(購買組合)や社交場「室町倶楽部」が設けられ、公園や果樹園なども設置されて、模範的郊外生活が追求された。【画像は1914(大正3)年頃】
「箕面有馬電気軌道」(現「阪急電鉄」)は沿線各地の住宅開発にも力を入れ、開通と時期を同じくして「池田室町住宅地」「桜井住宅地」などを分譲販売した。また、箕面の住宅地開発を進めた岸本兼太郎氏は「箕面学園尋常小学校」も開設した。ほかにも、豊中や池田に旧制中学校・高等学校、師範学校などが誘致され、住宅と共に教育環境も整備された。