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古くからの景勝地、箕面

「箕面山」には修験道の修行場としての「箕面山瀧安寺」「勝尾寺(かつおうじ)」などがあり、信仰の地として知られている。また、「箕面大滝」や「勝尾寺」などは江戸時代の『摂津名所図会』にも記され、古くから多くの人々が訪れる景勝地としても栄えた。現在も紅葉シーズンを中心に大勢の観光客が訪れ、賑わいをみせている。


江戸時代からの名所「箕面大滝」 MAP __

景勝地として有名な「箕面大滝」は江戸時代の『摂津名所図会』にも描かれている。古くは修験道の修行場となっていた。江戸時代までは「箕面山瀧安寺」の寺領であったが、大阪府議会議員の森秀次(しゅうじ)氏らが尽力したことで1898(明治31)年に「大阪府営箕面公園」となり、1967(昭和42)年には国定公園に選定され、「明治の森箕面国定公園」となった。【画像は大正期】

現在も秋の紅葉の季節を中心に大勢の観光客が訪れる箕面の観光名所となっている。

全国各地から修験者が集まる「箕面山瀧安寺」 MAP __

山岳信仰修験道の根本道場「箕面山瀧安寺」は658(斉明天皇4)年、修験道の祖である役行者(えんのぎょうじゃ)の創建といわれ、当初は「箕面寺」と呼ばれていた。本堂に祀られた「弁財天」は、日本最古の「弁財天」とされ「日本四弁財天」の一つに数えられている。また、「箕面山瀧安寺」で950年以上前から行われていたという「箕面富」は現在の宝くじの起源とされている。【画像は明治後期】

観音堂に安置されている「如意輪観音像」は平安時代の作で、国の重要文化財に指定されている。

「能勢街道」から分岐し、「勝尾寺」へと向かう「箕面街道」

「箕面街道」は大阪から北西に進む「能勢街道」から分岐して、箕面の「滝道」などを通り「勝尾寺」の方面に向かう旧街道。当初は現在の豊中市内の長興寺南付近、明治以降は同じく市内の本町一丁目付近で分岐していた。「西国街道」とは箕面市牧落の高札場跡で交差する形になっている。
MAP __(長興寺南付近) MAP __(本町一丁目付近) MAP __(牧落の高札場跡)

「箕面街道」は「大阪平野」を抜けると、「箕面山」の豊かな自然の中を進むことになる。「滝道」沿いには「箕面山」の伝統銘菓、「もみじの天ぷら」を販売する店舗が建ち並ぶ。

写真は1921(大正10)年頃の「滝道」の「一の橋」で下に「箕面川」が流れる。橋の左奥には1910(明治43)年に建てられた料亭旅館「橋本楼」(のち「橋本亭」へ改称)があった。
MAP __【画像は1921(大正10)年頃】

写真は現在の「滝道」の「一の橋」。「橋本亭」は休業ののち、2004(平成16)年から観光拠点として活用されていたが、2016(平成28)年に土砂災害に遭い解体された。その後、箕面市はかつての外観デザインを踏襲、一部部材を再利用した「橋本亭」の再建を進め2019(令和元)年に竣工、現在はカフェ・レストランとして活用されている。

紅葉の名所「勝尾寺」 MAP __(勝尾寺) MAP __(勝尾寺大鳥居)

現在の箕面市の中心部から「箕面街道」をさらに進み、北東の山中に入った場所にある「勝尾寺」。727(神亀4)年の創建で、紅葉の名所や勝運の寺として知られ、「勝ちダルマ」や「西国三十三所巡礼」の二十三番札所としても有名。また、「勝尾寺」から南に約4km(1里)離れた「西国街道」沿いには石造りの大鳥居が建っており、この大鳥居を起点として寺までの距離を示すために参道脇に置かれた町石は日本最古の町石として国の史跡に指定されている。【画像は1964(昭和39)年頃】

紅葉の名所として有名な「勝尾寺」。秋には色づいた木々が伽藍と調和する姿が見られる。


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