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豊島区の誕生、「副都心」へ

「大東京市」誕生の折に、豊島区が誕生、戦後の復興を経て、「首都圏整備計画」により池袋は「副都心」の一つとなった。丸ノ内線の開通に代表される新しい交通網も整備され、東京における主要都市へと成長、近年では文化・芸術の拠点としての歴史を未来につなぐ都市構想も進んでいる。


1932(昭和7)年、4町が合併し豊島区が誕生 MAP __

1932(昭和7)年、巣鴨町・西巣鴨町・高田町・長崎町が合併し、東京市35区の一つである豊島区が誕生した。写真は、旧「荒玉水道町村組合役場庁舎」を活用して設けられた「豊島区役所」。この庁舎は1945(昭和20)年の空襲で焼失した。【画像は1941(昭和16)年】

躍進する豊島区のシンボル「豊島区総合庁舎」

戦災で焼失した「豊島区役所」は、仮庁舎の時期を経て、1949(昭和24)年、かつての場所に木造の庁舎で再建。高度経済成長期を迎えた1958(昭和33)年、池袋は「首都圏整備計画」により東京の「副都心」の一つに。都市としての開発が促進される中、庁舎の建て替えも行われ、1961(昭和36)年に写真の「豊島区総合庁舎」が竣工した。建設に1年かかった庁舎は、当時都内では最大規模だった。 MAP __【画像は1961(昭和36)年】

2015(平成27)年、「豊島区役所」は南池袋へ移転。跡地では再開発が行われ、2020(令和2)年、「Hareza(ハレザ)池袋」が全面開業した。かつて「豊島区総合庁舎」があった場所は、オフィス、店舗、シネマコンプレックスなどが入る33階建ての高層ビル「Hareza Tower」となっている。

豊島区は2009(平成21)年に「新庁舎整備基本計画」を策定。2015(平成27)年、南池袋二丁目に区役所新庁舎と超高層マンションからなる「としまエコミューゼタウン」が完成し、「豊島区役所」は移転となった。 MAP __

経済成長の象徴となった丸ノ内線 MAP __

東京の地下鉄としては銀座線に次いでの誕生となった営団地下鉄(現・東京メトロ)丸ノ内線。1954(昭和29)年1月に「池袋駅」から「御茶ノ水駅」の区間が開通した。

写真は開通式でのテープカットの様子。丸ノ内線は高度経済成長期に延伸を重ね、現在では、政治・ 商業・交通の要となる駅を結ぶ重要な路線となった。【画像は1954(昭和29)年】

丸ノ内線「池袋駅」の開業時から使用されていた相対式ホームは、島式ホームの完成で廃止となった。写真は旧ホーム最後の日。【画像は1960(昭和35)年】

1974(昭和49)年に有楽町線、2008(平成20)年には副都心線が開通。現在、「池袋駅」は東京メトロでは3線が乗り入れる駅となった。


豊島区が進める「国際アート・カルチャー都市構想」

「Hareza(ハレザ)池袋」

2020(令和2)年にグランドオープンとなった「Hareza(ハレザ)池袋」。MAP __

芸術家が集い新たな文化を生み出し続ける街、池袋。近年では「サンシャインシティ」周辺に、若い女性をターゲットとした「乙女ロード」も誕生、アニメ文化も注目されている。このようなサブカルチャー、ハイカルチャー問わずジャンルを超えた文化の多様性を活かし、豊島区では「国際アート・カルチャー都市構想」が進められている。

その基本理念は大きく三つに分けられる。
・伝統的な文化から最先端の文化まで共存する「多様性を活かしたまちづくり」
・都市空間を舞台に見立て、様々な表現活動の場として開放する「出会いが生まれる劇場空間」
・文化を触媒として世界とつながり、新たな文化潮流を発信し続ける「世界とつながり人々が集まるまち」

ハード面とソフト面の両方から整備が進められており、既存の文化資源、文化活動の連携例として「トキワ荘協働プロジェクト」「池袋モンパルナス回遊美術館」「庁舎まるごとミュージアム」などが挙げられる。

「国際アート・カルチャー都市構想」の中枢エリアとなる「Hareza(ハレザ)池袋」は、2020(令和2)年にグランドオープンとなった。「シネマコンプレックス」「シネマプラザ」「東京建物 Brillia HALL」「harevutai」「パークプラザ」「サテライトスタジオ」「多目的ホール」「小ホール」と、個性が異なる八つの劇場空間に加え、イベントスペースとしても活用できる「中池袋公園」が再整備されており、賑わいと文化の拠点として発展が期待されている。



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