麻布・赤坂には、江戸末期の開国から明治期にかけて、公使館・大使館など多くの在外公館が置かれるようになった。1859(安政6)年、アメリカ合衆国(以下アメリカ)の初代駐日公使となったハリスは、幕府より貸与された麻布の「善福寺」に「アメリカ公使館」を置いた。その後、攘夷派の襲撃があり、書院などを焼失、横浜に避難する公使もいたが、築地に移転する1874(明治7)年まで「公使館」として使用された。写真は昭和戦前期の「善福寺」。
「善福寺」の境内には1936(昭和11)年にハリスの記念碑が建てられており、「太平洋戦争」中の反米熱が高まった時期も乗り越え、現存している。現在、麻布・赤坂が含まれる港区は、外国の大使館が日本で一番多く置かれている自治体で、このことが国際色豊かな街へ発展した理由の一つともいわれる。
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