図は『東上線沿線へ』のうち、「新倉駅」(現「和光市駅」)から「鶴瀬」までの区間を切り出したもの。
「朝霞駅」は、東上線開通当初は「膝折(ひざおり)駅」だった。「川越街道」の宿場町「膝折宿」に由来し、当時の村名でもあった。「朝霞駅」への改称の理由は、戦前にわずか数年あったゴルフ倶楽部にある。1913(大正2)年に東京・駒沢に誕生した日本初の日本人によるゴルフクラブ「東京ゴルフ倶楽部」(以下・倶楽部)は、1930(昭和5)年、広大な土地を求めて膝折村への移転を決定した。その際、ゴルフクラブの地名が「膝折」では縁起が良くないという話になり、倶楽部の名誉総裁であった皇族・朝香宮鳩彦王にちなんで「朝霞」が新町名となった。「香」を「霞」に変更したのは、そのまま使用するのは畏れ多かったためという。