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期限付き建物賃貸借
読み:きげんつきたてものちんたいしゃく
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借地借家法(1992(平成4)年8月1日施行)によって創設され、2000(平成12)年3月1日に法改正により廃止された制度。

期限付き建物賃貸借とは、次のいずれかの事情がある場合に、借家契約の更新を否定し、期間満了により借家契約が自動的に終了するという建物賃貸借のことである。

1.転勤等のやむを得ない理由により、一定期間に限り家主が不在となること
2.法令等により一定期間を経過した後に、建物が取り壊されることが明らかなこと

しかし、2000(平成12)年3月1日に法が改正され、こうした特別の事情がなくとも、定期借家契約を結ぶことが可能となった。
そのため、期限付き建物賃貸借は、2000(平成12)年3月1日をもって廃止された。

本文のリンク用語の解説

借地借家法

借地権および建物の賃貸借契約などに関して特別の定めをする法律で、民法の特別法である。1991年公布、92年8月1日から施行されている。 従前の借地法、借家法を統合したほか、定期借地権等の規定が創設された。借地借家法では、借地権の存続期間や効力等、建物の賃貸借契約の更新や効力等について、借地権者や建物の賃借人に不利にならないよう一定の制限が定められている。

借地借家法

借地権および建物の賃貸借契約などに関して特別の定めをする法律で、民法の特別法である。1991年公布、92年8月1日から施行されている。 従前の借地法、借家法を統合したほか、定期借地権等の規定が創設された。借地借家法では、借地権の存続期間や効力等、建物の賃貸借契約の更新や効力等について、借地権者や建物の賃借人に不利にならないよう一定の制限が定められている。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。 具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

定期借家契約

契約期間の満了によって賃貸借関係が確定的に終了する借家契約。借地借家法に基づく契約類型である。 一般の借家契約は、借主を保護するために、貸主は正当事由がない限り契約の更新を拒絶できないとされているが、定期借家契約においてはそのような制約がない。 定期借家契約を締結するには、次の要件を満たさなければならない。 1)契約期間を確定的に定めること 2)公正証書による等書面によって契約すること 3)貸主が借主に対して、契約の更新はなく期間の満了とともに契約が終了することを、あらかじめ書面(契約書ではないもの)を交付して説明すること 中途解約の可否等は特約で定めることとなるが、やむを得ない事情により生活の本拠として使用することが困難となった借家人(床面積が200平方メートル未満の住宅に居住している借主に限る)は、特約がなくても中途解約ができる。また、契約を延長する場合は、当事者双方の合意による再契約が必要である。 また、契約は期間の満了によって終了するが、期間が1年以上の場合は、賃借人に対して、期間満了の1年前から6ヵ月前までのあいだ(通知期間)に契約が終了する旨を通知しないと強制力が働かない。ただし、通知期間後に契約終了の旨を通知すれば、通知後6ヵ月を経過したあとは契約の終了を強制できる。 定期借家契約は契約更新が無い契約であるから、契約を延長する場合は、当事者双方の合意による再契約が必要である。 なお、賃料の改訂に関して特約があれば、借地借家法に定める家賃増減請求権の規定(契約条件にかかわらず、税負担等の増減、経済事情の変動、近傍家賃との不相応による家賃改訂を請求することができる旨の規定)は適用されない。

関連用語

定期借家制度

新借地借家法(1992(平成4)年8月1日施行)の一部が改正されたことにより、2000(平成12)年3月1日に創設された制度。 従来の新借地借家法では、一部の例外(期限付き建物賃貸借)を除いて、貸主側に建物の返還を求めるだけの正当事由がない限り、貸主は借家契約の更新を拒否することができないとされていた。 しかし、2000(平成12)年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、期間満了に伴い借家契約を終了させることができることとなった。 従って、2000(平成12)年3月1日以降の借家契約では「従来の借家契約」と「定期借家契約」のいずれかを当事者が選択できることとなった。