住宅などの建築物における騒音のうち、ある程度重量のあるものが衝突、移動、落下などしたときに、床の震動により、階下等に伝わる音。子供が走り回る、洗濯機などが振動するなど、共同住宅の階下の居住者にとって、「ズシン」「ドンドン」という重い衝撃音として感じられることが多く、話し声などの主に空気の震動により伝わる音に比べ、衝撃や振動が実感され、強い不快感につながる場合がある。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度においては、「音環境」について、「重量床衝撃音対策」の項目が設けられており、床の厚さを増加させる、床を重くする、床の仕上げ材の材質を選択するなどの対策が推奨されているが、一方で、そもそも性能評価が複雑・困難であることや、完成後の性能や階下の居住者の実感などが確定的に予測できないなどの理由から、任意の「選択項目」とされており、より確実に性能評価がなされるよう検討が進められている。
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建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
住宅の品質確保の促進等に関する法律
住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人および新築住宅の売主に対して、住宅の一定部位について10年間の瑕疵担保責任を義務付けることにより、住宅の品質確保をめざす法律。「品確法」ともいう。 主な内容は次のとおりである。 1.住宅性能評価書 国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。 登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない。 住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買主に引き渡す義務を負うことになる。 2.弁護士会による紛争処理・住宅紛争処理支援センター 建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる。紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である。 また、弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターを設置することとされ、「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣により指定されている。住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。 3.10年間の瑕疵担保責任の義務付け等 新築住宅の売買または建設工事における契約不適合責任(瑕疵担保責任)として、次の義務を定めた。 (1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売主・工事請負人は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。 (2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。 この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。
住宅性能表示制度
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により導入された、住宅の性能を表示するための制度のこと。 品確法では、住宅の性能が正しく表示されるように次のような仕組みを設けている。 1.評価する機関を大臣が指定する。 品確法にもとづき正式に住宅性能を評価することができる機関は、登録住宅性能評価機関だけに限定されている(品確法第5条第1項)。登録住宅性能機関とは、住宅性能評価を行なうことができる機材や能力等を持つものとして国土交通大臣により登録を受けた会社等のことである。 2.評価書の作成方法を大臣が定める 登録住宅性能評価機関は、依頼者の依頼を受けて、住宅の性能を評価した結果を表示する書面(住宅性能評価書)を作成する。 この住宅性能評価書を作成するにあたっては、登録住宅性能評価機関は、国土交通大臣が定めた基準(日本住宅性能表示基準)に準拠しなければならない。 このように国が関与することにより、住宅の性能が適切に表示される仕組みが設けられている。 なお、品確法では、住宅性能評価書が交付された新築住宅については、住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま請負契約や売買契約の契約内容になる場合があると規定している。この規定により注文者保護・買主保護が図られている(詳しくは「住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係」へ)。 また建設住宅性能評価書が交付された住宅については、指定住宅紛争処理機関に対して、紛争処理を申請することができるとされている(品確法第67条)。
関連用語
軽量床衝撃音
椅子などの移動や軽い物を落としたときの軽くて硬い衝撃音。これに対して、人が飛び跳ねたりしたときの重くて鈍い衝撃音を「重量床衝撃音」という。軽量衝撃音の大きさをLL、重量衝撃音の大きさをLHと表記する。
マンションの遮音性能は、一般に、軽量床衝撃音について示され、L値(推定L等級、構造を想定した建物に一定の衝撃を与え、建物空間に伝搬する衝撃音の大きさを推定した数値、数値が小さいほど遮音性能が高い)がLL-45以下とされていることが多い。LL-45の遮音性能は、軽量床衝撃音が小さく聞こえる程度であって、生活実感としては上階の生活が多少意識される状態とされる。
なお、遮音性能は、L値で示されることが多いが、床材については、床衝撃音の低減性能を直接に測定したΔL等級(Δは低減することを示し、数値が大きいほど製品の遮音性能が高い)も用いられている。たとえば、LL-45は、おおむねΔLL(I)-4等級の床材の遮音性能に相当する。