三井住友トラスト不動産

野地板(下地板)
読み:のじいた(したじいた)
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木造建築物の屋根の下地材で、垂木の上に広く張り、屋根およびそれにかかる荷重を受け止め、構造を安定させるとともに、スレート等の屋根材の基盤となる。防水機能や防火性も求められ、非可燃性の素材を使用することも多い。建築基準法施行令第107条(耐火性能に関する技術的基準)では、主要構造部の防火性能について定めがあり、野地板についても、大臣告示において素材や厚さについて基準が定められている。

本文のリンク用語の解説

木造

建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。 木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。

屋根

建物の上部に設ける覆い。屋根は、雨露、風雪、寒暑を防ぐために設けられ、建築構造の一部となる。 屋根の形には、二つの面が棟で山型に合わさる「切妻屋根」、山型の二面とその両端を斜めに切る二面で構成する「寄棟屋根」、傾斜した四つの面が頂点で合わさる「方形屋根(ほうぎょうやね)」、一つの傾斜面の「片流れ屋根」、水平面の「陸屋根(ろくやね)」、切妻屋根の両端に傾斜面を付加した「入母屋屋根(いりもややね)」などがある。 屋根材としては、粘土瓦、セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)、スレート(化粧スレート、天然スレート)、金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等)が用いられるほか、陸屋根の屋根材には、アスファルト、モルタル、防水シート等の防水材が使用される。また、古民家のなかには茅や藁を用いるものもある。 なお、屋根を仕上げることを「葺く」といい、屋根を「瓦葺」「スレート葺」「茅葺」などに分ける場合もある。

垂木

木造建築において、棟木・母屋・軒桁をつなぐように架ける細長い斜材。一般に、屋根下地を支える役割を担い、等間隔で懸架される。垂木は軒桁から外に突き出て軒をかたちづくるが、軒裏に隠れる「野垂木」と、軒下に現れる「化粧垂木」との区別がある。化粧垂木は、装飾として用いられる場合もある。

短期積雪荷重

建築基準法施行令第82条の保有水平耐力計算において、「短期に生ずる力」として、固定荷重、積載荷重とともに考慮することとされている。 積雪時に想定されるものとして計算に用いられる短期積雪荷重は、50年再現期待値である積雪荷重と同値が、そのまま採用されている。これは、50年に一度発生する大雪の際に、短期間(3日程度)、荷重に耐えうるかどうかを確認するという趣旨である。一方、暴風時及び地震時の短期積雪荷重は、多雪区域において平年並みの積雪時に暴風および地震が発生した場合という想定であり、積雪荷重の0.35倍が設定されている。  

粘土を整形し焼き固めた屋根葺き材。 瓦の形状は、屋根の部位等に応じて多様である。例えば、平面を葺く厚板状の平瓦は、穏やかな曲線形の和瓦(J形瓦)、平らな平板瓦(F形瓦)、波打つS形瓦に大別される。 瓦の素材はもともと粘土であるが(粘土瓦、本瓦とも言われる)、陶器製のもの(陶器瓦)、プレスセメント製のもの(厚形スレート)、金属製のもの(金属瓦)なども用いられている。 瓦は、耐久性や防音性に優れるが、建物の上部が重くなるため、構造上の対応が必要である。また、耐震性・耐風性を確保するため、すべての瓦を確実に緊結しなければならない。

スレート屋根

石板で葺いた屋根。比較的軽量で、デザイン性に富む。一方で、防水性に難があるほか、スレートの材質によっては耐久性に劣るとされる。「スレート」は英語のslate。 スレート屋根に用いられる石板には、粘板岩を薄い板状に加工したもの(天然スレート)のほか、セメントに繊維等を混ぜて板状にしたもの(化粧スレート)がある。普及しているのは化粧スレートで、一般に表面が塗装されている。 なお、2004年以前の化粧スレートはアスベスト(石綿)を含むことがあるので、撤去などに際して注意が必要である。

主要構造部

建築物の構造上、重要な役割を果たしている部分のこと。 建築基準法第2条5号では、主要構造部とは「壁・柱・床・梁・屋根・階段」であると定義している。 ただし、構造上重要でない最下階の床、間仕切り用の壁、間柱、つけ柱、局所的な小階段、屋外階段などは主要構造部から除外されている。