建築物の壁や床の表面の仕上げを行なう工事。漆喰、モルタル、壁土、珪藻土等を塗り、下地塗りから仕上げ塗りを通じて、建築物の表面の耐久性・防火性等を維持向上させるとともに、美観や伝統芸術的な価値をもたらす。左「官」という言葉の由来として、職位の高さを挙げる説も多い。高度な技能を要し、習得に時間もかかることから技能者が不足しているが、自然素材を用いることによりシックハウス対策にも有効であるなど、再評価もされている。
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建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
漆喰
消石灰に糊剤を混ぜたもの。
日本古来の左官材料として使用される。
モルタル
セメントと砂に、水を加えて練り合わせたもの。
左官材料として多用される。
珪藻土
藻の一種である珪藻類の遺骸による堆積土で、素材色は白色、灰白色、淡黄色。多孔質で吸水性に富むが、軽くて脆い。もともと研磨材、耐火材、七輪などの材料に使われたが、近年、高い吸放湿性、吸臭・吸音性、断熱性からシックハウス対策として注目され、住宅の内・外壁に使用されることが多い。
漆喰のようにツノマタなどを混ぜた左官塗り用だけでなく、素人でもローラーやハケで簡単に塗れる塗装タイプの製品も開発されている。
シックハウス対策
シックハウス症候群(住宅の内部に居ることによって起きる、原因がはっきりしない体調不良)を防ぐために化学物質の室内濃度を抑制することをいう。
建築基準法には、シックハウス対策として次のような規定がある。
1)クロルピリホスを添加した建材の使用禁止
2)内装仕上げ建材について、ホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限
3)原則としてすべての建築物に機械換気設備の設置
4)天井裏等について、ホルムアルデヒドの発散の少ない下地建材の使用または機械換気設備の設置
また、住宅性能表示においては、ア)ホルムアルデヒド対策(内装および天井裏等)、イ)換気対策、ウ)室内空気の化学物質の濃度等に関する項目を表示の対象としている。