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ねじれ振動
読み:ねじれしんどう
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ある物体に一定の振動を与えたときに、物体の形状や質量の偏在により、部分ごとの振動の仕方や力の伝わり方に差が生まれ、場合によっては物体の破壊にも至るという現象。建築物においては、地震時に建築物の質量や剛性、強度の偏在によって地震動の力が増幅され、大きな被害につながるおそれがあるため、安全性の議論において、ねじれ振動対策は重要な意味を持つ。

ねじれ振動を抑制するためには、構造耐力上重要なや柱等を、偏在を防いでバランスよく配置することが必要であり、建築基準法施行令第82条の6では、許容応力度計算の基準として偏心率の計算方法を示し、これを15%以下とするよう定めている。

本文のリンク用語の解説

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

地震

地殻が急激にずれ動く現象。これに伴って起きる大地の揺れ(地震動)をいう場合もある。地震が発生したとき最初に地殻が動いた場所が「震源」、震源の地表面位置が「震央」、伝播する地震動が「地震波」である。 地震の大きさを示す指標には、地震の規模によるものと、地震動の大きさによるものの2種類がある。一般に、地震の規模は地震によって放出されるエネルギー量を示す「マグニチュード(M)」で、地震動の大きさは揺れの程度を客観的に段階化した「震度」で示される。震度は、マグニチュードだけでなく、震源からの距離、地震波の特性、地盤の構造や性質などによって決まる。 地震が発生しやすいのは地殻に力が加わって歪みが蓄積している場所で、地震はその歪みが解消する際に起きると考えられている。しかし、発生の場所と時点を特定するのは非常に難しい。 なお、構造物の耐震設計は、地震動によって構造物に加わる力を許容できる程度に抑えるための設計であるから、想定する地震動の大きさや性質(揺れの方向、振動数、継続時間など)が重要となる。

構造耐力

建築物には、自重(建築物そのものの重さ)、積載荷重(人間・家具・設備の重さ)、積雪という垂直方向の力がかかり、また地震力・風圧力という水平方向の力がかかる。 これらの垂直方向・水平方向の力に対して、建築物が垂直方向の力を支え、水平方向の力による変形に対抗することができるということを「構造耐力」と呼んでいる。 また、特に水平方向の力による変形に対抗することができるということを「水平耐力」と呼んでいる。 この水平耐力を備えるように筋かいを入れ、または構造用合板などを張った壁は「耐力壁」と呼ばれている。 建築基準法では、すべての建築物が十分な構造耐力を備えるように、詳しい技術的な基準を設けている(建築基準法第20条第1項、建築基準法施行令第36条から第80条の3まで)。 また、木造3階建てなどの建築物については十分な構造耐力を持つことをチェックするために、設計段階で構造計算を行なうことを義務付けている(建築基準法第20条第1項第2号、建築基準法施行令第81条から第99条まで)。

耐力壁

建築基準法第20条の規定に基づいて、地震力や風圧力による水平方向の力に対抗することができるように、筋かいを入れ、または構造用合板などを張った壁のことを「耐力壁」と呼ぶ。 建築基準法では「建築物は、自重、積載荷重、積雪、地震力、風圧力などに対して安全な構造でなければならない」として、すべての建築物が構造に関する基準を満たすことを要求している(建築基準法第20条第1項、同施行令第3章第1節から第7節の2)。 また、木造3階建てなどの建築物では、特に構造計算により安全性を確認することを義務付けている(建築基準法第20条第1項第2号)。 この建築基準法第20条により、建築物は地震力・風圧力という水平方向の外力に十分に対抗できるような構造を有することが要求されており、この必要性を満たすために筋かいを入れ、または構造用合板等を張った壁を一般に「耐力壁」と呼んでいる。 耐力壁の構造は、建築基準法施行令第46条第4項の表(一)と昭和56年建設省告示第1,100号により詳しく規定されている。 それによれば、例えば在来工法の木造建築物において、柱・梁・筋かいから構成される壁は耐力壁となる。また枠組壁工法において一定の面材(構造用合板、パーティクルボード、石膏ボードなど)を張った壁は、筋かいがなくとも、耐力壁である。 なお建築物の形状や面積により、どれだけの耐力壁を備えるべきかという基準のことを「必要壁量」といい、この必要壁量の計算方法は建築基準法施行令第46条第4項に規定されている。 この必要壁量の計算方法では、建築物の下方階ほど強度の高い耐力壁を多く備えることが要求されている。これは地震力・風圧力とも下の階にいくほど多くの力がかかり、強い対抗力が必要になるからである。 また建築物の形状については、奥行きの長い建築物ほど多くの力がかかるため、必要壁量も多くなる。このため奥行きの長い建築物では、外壁だけでなく、内部を仕切る内壁(間仕切り壁)も耐力壁にする必要性が生じやすい。

建築基準法

国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。 遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。 その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。