子が成長し、親子が別世帯となるなどしたときの住まい方として、かつて多数であった同居と、現在の主流である別居という選択肢の他に、近年の調査研究や論文等では、別居を距離に応じてさらに「近居」と「遠居」に分ける他、同居と近居の間に、さらに非常に近い距離での別居として「隣居」という概念も使用されている。調査主体や識者の考え方によって定義は異なるが、例えば、二世帯住宅までを同居、徒歩圏内を近居とする考え方があるのに対して、同居ではないが非常に近い距離を「隣居」と表現し、二世帯住宅でも玄関(出入口)などが別々の場合は同居ではなく隣居であるとする考え方も示されている。
基本的には同居が当然ではなくなる中で、別居を前提にどのような距離をとるか、という問題であり、隣居には、緊急時や防犯面での安心感があり、孫の成長が見られる・見せられるというメリットがある一方で、予期せぬ訪問や呼び立てなどのデメリットも指摘されている。
本文のリンク用語の解説
近居
親子などが日常的に行き来できる距離に住むことをいう。その距離は、お互いの世帯が日常的に援助でき、援助されるような近さであると考えられている。
それぞれに独立して世帯を営みながら、子育て、介護などの必要に応えることのできる居住形態として注目されている。
二世帯住宅
親世帯と子世帯が一緒に住まう住宅で、その状況を考慮された造りのものをいう。
少子化に伴う親子関係の密着度の増加、限られた土地の有効活用等が一緒に住まう理由の一つとして挙げられる。形状的にはいくつかのパターンがあり、それぞれのライフスタイルに合うものとする。いずれも税金や公的融資上の優遇措置がある。
玄関
建物の表側に設ける出入口。建物の正式な出入口である。屋敷の玄関の造りは、門構えとともに建物の格式を示すとされてきた。
玄関は、土間、上がり框(かまち)、床で構成される。床面の位置は土間よりも高くなっていて、床に上がるときに足場とする部位が上り框である。土間には一般に靴箱や傘立てが設置されているほか、玄関が生花や装飾品で飾られていることも多い。
なお、建物の出入口ではないが、マンション住戸の出入口も玄関とされる。この場合、土間と床との段差はわずかな場合が多い。
また、建物の裏に設置する出入口を「裏玄関」「裏口」、台所からの出入口を「勝手口」という。