地盤の状態を改変する処置。建造物を構築するための処置で、地盤支持力の増強、不同沈下の防止、地震の際の液状化防止などのために実施される。
地盤改良の工法には、
・締め固め工法(振動を与えて地盤を固める)
・置換工法(地盤土を掘削し良質土に置き換える)
・脱水工法(井戸や排水路によって土中の水分を排出する)
・載荷工法(一定期間加重して地盤を沈下させ安定化する)
・混合処理工法(固化材を混和する)
・杭工法(杭を打ち込んで支持基盤とする)
などがある。
工法は、地盤改良の目的、地盤の状態、改良が必要な地盤の深さなどに応じて選択される。また、事前に地盤調査を行なうことが大切である。
本文のリンク用語の解説
不同沈下
建物荷重や外力の作用によって、場所によりむらがある沈み方で地盤下に沈下する現象。
傾斜や地盤の状況、基礎の形状等が原因となり、地震時に軟化現象等を引き起こすことによって起きる。建築物の構造に障害を引き起こす可能性のある場合は、地盤改良、基礎形状の見直し等有効な対策を講じる必要がある。
液状化(地盤の~)
地震の際に地盤が液体状態となる現象をいう。
水分をたくさん含んだ砂質の地盤で発生する。
地震による強い振動によって砂粒の間にある水分の圧力(間隙水圧)が高まり、砂粒の動きが自由になるために生じる。その結果、地上構造物の沈下や倒壊、地中構造物の浮き上がり、地盤の水平方向への移動(側方流動)、水と砂の吹き上げ(噴砂)などが起きる。
新潟地震(1964)でその発生が確認され、その後、阪神・淡路大震災(1995)や新潟県中越地震(2004)でも発生した。また、東日本大震災(2011)では、千葉県浦安市をはじめ広範囲に発生し、大きな被害をもたらした。
なお、液状化あるいはそれによる被害を防ぐための工法が開発されている。
地盤調査
地盤の性質を把握するための調査。建物基礎などの設計・施工や根切り工事の施工のために実施される。
建物基礎は、建物に作用する荷重および外力を安全に地盤に伝え、地盤の沈下また変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならないとされているが、地盤調査は、この条件を満たすために必要な調査である。特に、地盤の許容応力度および基礎杭の許容支持力は、一定の方法による地盤調査の結果に基づいて定めなければならない。
調査事項は、成層状態、層の強度、圧縮性、透水性、地下水の状況などで、調査によって、地盤の許容応力度、基礎杭の許容支持力、地盤液状化の可能性などが明らかになる。
調査方法は、ボーリング調査、貫入試験、載荷試験、物理探査などがある。