大量の水によって生じる災害の危険性。
水災害リスクは、洪水(河川水の氾濫)、内水の氾濫、土砂の崩壊・流出、高潮・高波などによって生まれる危険性である。今後、気候変動に伴って、降雨量の増加、台風や前線の活動の活発化、海面水位の上昇などが予想され、水災害リスクが高まるほか、複数の災害が複合することによるリスクも増大すると考えられている。
水災害リスクの程度は、流域の地形・地質・土地利用の状態、気象の状況、危険時における行動などによって異なる。その軽減のためには流域の関係者が協働で対応することが有効で、そのために流域ごとに流域治水プロジェクトが策定されている。
不動産の取引においては、水災害の防止・軽減のための土地利用の規制・誘導や、水災害リスクに関する情報を確認し、流域治水プロジェクトの内容に留意する必要がある。
本文のリンク用語の解説
流域治水プロジェクト
流域の関係者が協働して水災害を防止・軽減する計画で、流域ごとに作成される。
流域治水プロジェクトは、流域の特性と予測される水災害リスクに応じて具体的に策定される。その主な内容は次のとおりである。
1)堤防の整備、河道の掘削、ダムの建設・再生、雨水排水網の整備など、河川等の氾濫を防止・軽減する対策
2)土地利用の規制・誘導、水災害リスク情報の提供など、水被害の対象を少なくするための対策
3)避難場所の整備・周知、危険箇所の監視・危険状況の通知、インフラの強靭化など、被害の軽減と早期復旧・復興のための対策
不動産の取引に当たっては、流域治水プロジェクトの内容に留意し、土地利用の規制・誘導や水災害リスクに関する情報を確認する必要がある。
不動産
不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。