鉄筋コンクリートに、鉄骨を内臓させた建築構造。
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。
本文のリンク用語の解説
建築構造
「荷重や外力に対抗するために必要な部分の組み合わせ」のことである。
端的にいえば、建築構造とは「建物の骨組」のこと。
関連用語
壁式鉄筋コンクリート構造(壁式鉄筋コンクリート造)
鉄筋コンクリート構造の一つ。
この「壁式鉄筋コンクリート構造」は、「柱」「梁」を設けず、基本的に「壁」だけで荷重を支えるような鉄筋コンクリート構造である。
この「壁式鉄筋コンクリート構造」には、柱・梁がないため、建物の内部空間が広く使用できるというメリットがある。
なお強度を確保するため、壁の中には梁に相当する配筋が作られている。
この「壁式鉄筋コンクリート構造」は、壁が多い中層建物に最適である。しかもコストが安く、空間が広く取れるため、3階建共同住宅などで多用されている。
鉄筋コンクリート構造(鉄筋コンクリート造)
鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。
この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。
ラーメン構造(高層マンションの~)
高層の新築分譲マンションの販売広告で「ラーメン構造」「鉄骨ラーメン構造」「重量鉄骨ラーメン構造」と表示されていることがある。具体的には次の2通りがある
1.「鉄骨鉄筋コンクリート構造」のことを指している場合
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」では、鉄骨の柱と鉄骨の梁で荷重を受け、水平方向の外力に対抗する。そのため、コンクリート壁の量を削減することが可能となり、壁の位置や開口部を比較的自由に変更することができるというメリットがある。
また風力・地震などの外力にも強く、高層マンションで多用される。
その反面、「鉄骨鉄筋コンクリート構造」は柱と梁が太くなり、居室の内部空間がやや狭く感じるというデメリットもある。このデメリットを克服するために、柱と梁を外壁に突き出したデザインにするという工法(これを「アウトフレーム工法」という)が採用されることがある。
2.「鉄筋コンクリート構造」のことを指している場合
鉄筋にコンクリートを巻くことにより、鉄筋コンクリート製の柱・梁を形成する場合には、その柱・梁が強固な骨組となるので、「ラーメン構造」となる。
これも1.と同様に、壁量を削減し、壁の位置や開口部を比較的自由に設けることができるというメリットを持つ。
実際の新築分譲マンション広告で「ラーメン構造」とうたわれるときは、上記1.の「鉄骨鉄筋コンクリート構造」を指すことが多い。
また最近の超高層マンションでは、上記1.2.と異なるラーメン構造(鉄骨の代わりに鋼管を使用した「鋼管コンクリート構造」など)が採用されることがある。