情報通信技術を利用し、コンピューター画面を介して電子データを用いて締結される契約。
電子契約の信頼性を書面契約と同水準で確保するためには、契約意思を表示する電子的な署名の仕組み、契約内容の改ざん防止する措置、契約内容を電子データとして保管し、真正性を証明するシステムなどが必要で、「電子署名法」「電子帳簿保存法」等の法令が整備されている。
なお、宅地建物取引業法などにおいて義務付けられている書面の交付や書面による契約については、相手方の承諾を得たうえで、一定の要件を満たす電子的な交付や電子契約が認められている。
本文のリンク用語の解説
宅地建物取引業法
宅地建物取引の営業に関して、免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を定めた法律。1952年に制定された。
この法律に定められている主な内容は、宅地建物取引を営業する者に対する免許制度のほか、宅地建物取引士制度、営業保証金制度、業務を実施する場合の禁止・遵守事項などである。これによって、宅地建物取引業務の適正な運営、宅地および建物の取引の公正の確保および宅地建物取引業の健全な発達の促進を図ることとされている。
関連用語
電子署名
電磁的な記録(電子文書)について、その作成者および作成された記録が改竄されていないことを保障する仕組みをいう。
電子署名がなされた電子文書は、署名押印された文書と同様に、真正に成立したものとみなされる(電子署名及び認証業務に関する法律)。
電子署名の方式はいくつかある。いずれも暗号化技術の応用であるが、一般には公開鍵暗号方式を基本とした仕組みが利用されている(詳しくは、「暗号化」を参照)。
なお、電子署名において公開鍵を公開する場合に、その信頼性を確保するため、公開鍵がその持ち主のものであることを第三者が証明すること(認証業務)が有効であると考えられており、一定の要件を満たす認証業務(特定認証業務)を行なう者を認定する制度が整備されている。
電子商取引
インターネット上で行なわれる商取引をいう。
取引の内容は、商品購入、広告宣伝、契約締結、資金決済など幅広いものがあり、取引の当事者についても、企業間(B to B、Business to Business)、企業対消費者(B to C、Business to Consumer)、消費者間(C to C、Consumer to Consumer)の各タイプがある。 電子商取引を活用すれば広範囲の相手と低コストで取引することができるが、ネットという媒体の特性に即して取引の安全や消費者の保護を確保するための注意や工夫が必要である。 特にB to Cの取引については注意が必要であり、消費者保護のための原則(OECD「電子商取引に関する消費者保護ガイドライン」)が明らかにされている。それによると、一般の取引を下回ることのない透明かつ有効な水準の消費者保護を実現するため、
1.営業・広告・販促行為における公正さの確保、2.事業者、商品/サービス、取引条件に関する詳細な情報の提供、3.明確な意思確認プロセスの確保、4.安全な支払いの手段の提供、5.紛争解決・救済手段へのアクセスの確保、6.個人情報(プライバシー)の保護
が必要であるとされる。
e内容証明(電子内容証明)
インターネットを通じて差し出す文書について、その内容を証明し配達するサービス。日本郵政が提供している。
e内容証明を受ける文書は、インターネットを利用していつでも差し出すことができ、自動的に内容証明文書が作成・照合され、封入封緘されて内容証明郵便として発送される。
35条書面
「重要事項説明書」と同じ。それを参照。
なお、重要事項説明に当たって35条書面を交付するのは宅地建物取引士である。一方、37条書面は宅地建物取引業者が交付する。
37条書面
宅地建物取引業者が不動産取引に関与して契約が成立した場合に、当該業者が取引当事者に交付しなければならない書面。この書面の交付は、宅地建物取引業法第37条の規定に基づく義務である。 交付する書面には、代金または借賃の額、その支払方法、引き渡しの時期など法律に定める主要な契約内容(売買・交換の場合と賃貸借の場合とで異なる)を記載するとともに、宅地建物取引士が記名しなければならない。 なおこの書面の交付は、契約書(宅地建物取引士の記名押印があるもの)の交付によって満たすことができる。